...それでも有繋(さすが)に森(もり)はあたりを威壓(ゐあつ)して夜(よる)になると殊(こと)に聳然(すつくり)として小(ちひ)さなお品(しな)の家(いへ)は地(ぢ)べたへ蹂(ふみ)つけられたやうに見(み)えた...
長塚節 「土」
...それから八日目(かめ)に村落(むら)の者(もの)が佛(ほとけ)を迎(むか)へに提灯(ちやうちん)持(も)つて行(い)つた時(とき)は刈(か)り拂(はら)はれた草(くさ)が暑(あつ)いといつても秋(あき)らしくなつた日(ひ)に其(そ)の生殖作用(せいしよくさよう)を急(いそ)がうとして聳然(すつくり)と首(くび)を擡(もた)げて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...聳然(すつくり)と空(そら)に奔騰(ほんたう)しようとする焔(ほのほ)を横(よこ)に壓(お)しつけ/\疾風(しつぷう)は遂(つひ)に塊(かたまり)の如(ごと)き火(ひ)の子(こ)を攫(つか)んで投(な)げた...
長塚節 「土」
...桑畑(くはばた)の端(はし)の方(はう)に薹(とう)に立(た)つた菜種(なたね)の少(すこ)し黄色(きいろ)く膨(ふく)れた蕾(つぼみ)は聳然(すつくり)と其(その)雪(ゆき)から伸(の)び上(あが)つて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...それだが此(こ)れもそんなことを云(ゆ)つたつて仕方(しかた)がないがね」内儀(かみ)さんは聳然(すつくり)と立(たつ)ては居(ゐ)るが到底(たうてい)枯死(こし)すべき運命(うんめい)を持(も)つて居(ゐ)る喬木(けうぼく)の數本(すうほん)を端近(はしぢか)に見上(みあげ)ていつた...
長塚節 「土」
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