...私は毎日顔を剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞分けのない衝動を感じた...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...十一摩利信乃法師(まりしのほうし)はこれを見ると、またにやにや微笑(ほほえ)みながら、童部(わらべ)の傍(かたわら)へ歩みよって、「さても御主(おぬし)は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ...
芥川龍之介 「邪宗門」
...坊ちやんはすべてに聞分けのよいお子さんで...
鈴木三重吉 「桑の実」
...聞分け給ひしかや』...
高山樗牛 「瀧口入道」
...阿呆陀羅経を聞き飽きた参詣戻りの人たちが三人四人立止る砂利の上の足音を聞分けて...
永井荷風 「深川の唄」
...辛抱強く聞分けてその意味を拾い...
中島敦 「狼疾記」
...こら少し聞分てくれ...
樋口一葉 「うつせみ」
...人の言へるは聞分(ききわく)るよしも無く...
樋口一葉 「うつせみ」
...こら少し聞分けて呉れ...
樋口一葉 「うつせみ」
...人の言へるは聞分るよしも無く...
樋口一葉 「うつせみ」
...人(ひと)の言(い)へるは聞分(きゝわ)くるよしも無(な)く...
樋口一葉 「うつせみ」
...戀(こひ)に狂(くる)ひてあくがるゝ身(み)は主人(しゆじん)が聲(こゑ)も聞分(きくわ)けぬ...
樋口一葉 「われから」
...あゝお前樣(まへさま)は何故(なぜ)その樣(やう)に聞分(きゝわ)けては下(くだ)さらぬぞと淺(あさ)ましく...
樋口一葉 「われから」
...いや聞分(ききわけ)ないというものだと...
二葉亭四迷 「平凡」
...聞分けもつかぬ底のワーツといふ歓声があがります...
牧野信一 「早春のひところ」
...論語に出て居る公冶長と云ふ人も雀の聲を聞分けると云ふことであるが是れも其の通りである...
松本文三郎 「印度の聖人」
...然しまるで聞分けがないので其方に来て貰ったのだが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...どうしても聞分けようとしないのである...
山本周五郎 「日本婦道記」
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