...聊(いささ)か所思(しよし)を記(き)して拙答に代ふ...
芥川龍之介 「娼婦美と冒険」
...帶と襷とに聊か飾りの色を見る許りな...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...甚だ不完全であるが聊(いささ)かの経験ある露西亜語を利用して日露国民相互間の誤解を釈(と)き...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...聊か理解し難きの観なきに非ざるが故に...
高木敏雄 「比較神話学」
...聊か劃一に失せんとするの傾あるを...
高木敏雄 「比較神話学」
...聊か怨念を慰せんと欲するの処...
太宰治 「右大臣実朝」
...円満辞職を聊かなりとも望まれる向は...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...敏子は聊かたじろぎもしなかった...
豊島与志雄 「裸木」
...家は腰高(こしだか)の塗骨(ぬりぼね)障子を境にして居間(いま)と台所との二間(ふたま)のみなれど竹の濡縁(ぬれえん)の外(そと)には聊(ささや)かなる小庭ありと覚しく...
永井荷風 「江戸芸術論」
...聊か疲労を覚えたり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...そして聊(いささか)たりとも荒涼寂寞の思を味い得たならば望外の幸であろうとなした...
永井荷風 「百花園」
...少なくとも吾輩の無聊(ぶりょう)を慰むるに足るほどの頭数(あたまかず)は御揃(おそろい)になったと云わねばならぬ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...而してもしその動機が外面に表われない場合には聊かも殺人の疑いさえ起り得ない筈ではないか...
浜尾四郎 「彼は誰を殺したか」
...そんな軽薄な心は聊(いささ)かも無い...
二葉亭四迷 「平凡」
...ただ静(しずか)にして居ったばかりでは単に無聊(ぶりょう)に苦しむというよりも...
正岡子規 「病牀苦語」
...面目ない話じゃが聊か身に覚えのない事じゃまで……」「成る程……御尤(ごもっと)も様で……」「しかし迂濶に相手はならぬ...
夢野久作 「斬られたさに」
...拙者にまだ聊(いささ)かの蓄(たくわ)えもある...
夢野久作 「名娼満月」
...彼亦聊か安んずるところなかる可らず...
横瀬夜雨 「花守」
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