...寧ろそれによつて自分らの無聊(ぶれう)を慰めようとする...
石川啄木 「鳥影」
...聊も痛恨の念の湧かないのは...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...聊(いさゝ)か茲(こゝ)に述(の)ぶるに過(す)ぎない...
伊東忠太 「妖怪研究」
...聊(いささ)か心に恐れ給へば...
巌谷小波 「こがね丸」
...ほんの聊(いさゝ)かではござりまするが...
薄田泣菫 「茶話」
...無聊(むりょう)に悶(もだ)えたりして居ましたが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...聊(いささ)か緩なるも...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...富子は聊かも取り乱したところを見せない代りに...
豊島与志雄 「自由人」
...明治四十三年の初(はじめ)森上田両先生慶応義塾大学部文学科刷新の事に参与せらるるやわが身もその驥尾(きび)に附して聊(いささ)か為す所あらんとしぬ...
永井荷風 「書かでもの記」
...聊か腹立たしかつた...
中原中也 「分らないもの」
...少なくとも吾輩の無聊(ぶりょう)を慰むるに足るほどの頭数(あたまかず)は御揃(おそろい)になったと云わねばならぬ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...で私へ御用と仰つしやるのは?」平次は聊(いさゝ)かたじろぎました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...同時に自(みず)から省(かえり)みて聊(いささ)か不愉快(ふゆかい)を感ずるもまた人生の至情(しじょう)に免(まぬ)かるべからざるところなれば...
福沢諭吉 「瘠我慢の説」
...斯う雑作なく職業にありつくのは聊(いささ)か飽気ないような気がするが...
松本泰 「日蔭の街」
...あの食堂でお渡ししませう」「結構でございますわ」「遅くもひるすぎの一時頃までには必ず……」私はさういつてしまつてから聊(いさゝ)か後悔に似た気持になつた...
宮地嘉六 「老残」
...実を云うとこの時には吾輩も聊(いささ)か狼狽(ろうばい)したね...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...至って無聊(ぶりょう)ですが……実は...
吉川英治 「三国志」
...客の不聊(ぶりょう)をなぐさめていた...
吉川英治 「私本太平記」
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