...この習慣は、古代中国で起源を持ち、耳朶の形状を通じて個体識別をしていました...
...お前の世嗣(よつ)ぎは断(た)えてしまうぞ」阿Qの耳朶(みみたぶ)の中にはこの声が確かに聞えていた...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...耳朶(みみたぶ)の中がガアンとして...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...(独帝(カイゼル)は英吉利と英吉利人とが大嫌ひである)直ぐいつもの癖を出して自分の耳朶(みゝたぶ)をいやといふ程引張つた...
薄田泣菫 「茶話」
...中馬には片つ方の耳朶(みゝたぶ)が無い...
薄田泣菫 「茶話」
...右の耳朶から頬にかけてぴしやつと平手が命中した...
太宰治 「逆行」
...耳朶(みみたぶ)の隠れそうな長い生(は)え際(ぎわ)ばかりは昔に変らないが...
谷崎潤一郎 「秘密」
...その耳朶の一部に...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...黒い髪のはじから覗いてる耳朶の下に...
豊島与志雄 「月明」
...耳朶のはじは凍傷で赤くふくらみ...
豊島与志雄 「香奠」
...それであればこそ路傍(ろぼう)で耳朶(じだ)に触れた一言が...
新渡戸稲造 「自警録」
...可愛らしい耳朶(みみたぶ)が――...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...玉ちやんには左の耳朶(みゝたぶ)の下に可愛らしい黒子(ほくろ)がありますし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その耳朶は美容にも關係するのに...
長谷川時雨 「夏の女」
...耳朶なぞへは間違つてもつけるやうな事はしないのである...
林芙美子 「晩菊」
...一種陰惨な反響を伴って五人の耳朶をうつ...
久生十蘭 「魔都」
...耳朶を打つのだろう? 一体...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...鮮かなるべきSさんといふ音響は悲しく意志の喪失した一個の咳としてのみS子の耳朶を顫はせる...
北條民雄 「童貞記」
...紅(あか)い耳朶(みみたぼ)の背後(うしろ)から肩へ流れるキャベツ色の襟筋(えりすじ)が...
夢野久作 「難船小僧」
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