...しかし彼女の鞏固(きょうこ)な意力は遂にこの試煉(しれん)にも耐えて...
石原純 「キュリー夫人」
...特に寛は七十六歳にして、昨年数回の病に罹るも、今日に至ては健(すこやか)にして、且つ本年は初めて牧塲の越年たるを以て、如何なる事あらんかと一同配慮するも、寒さにも耐えて、氷結の初めより暁夕毎(ぎょうせきごと)に堅氷(けんぴょう)を砕き、或は雪を踏んで一日(いちじつ)二回は習慣たる冷水灌漑を実行し止まざるはうれし...
関寛 「関牧塲創業記事」
...それでも強いて耐えて開けたところで...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...二つには公式が成立するまでに蓄積された認識の体系が歴史的陶冶に耐えて来たという自他の承認がある場合であり...
戸坂潤 「科学的精神とは何か」
...と書いたことだ――金のことなどを言ったのだ! そんなことはじっと耐えていなければならなかったのに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...同様な生活のうちに親愛な母親が耐えていた辛苦を思い出しては...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...十分に耐えて――隙があらば...
直木三十五 「南国太平記」
...その運命を耐えている溜息(ためいき)が...
中井正一 「美学入門」
...そうした人物は孤独に耐えて存在している...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...個人をして自力制裁を行いたいところを耐えて...
穂積陳重 「法窓夜話」
...私はお前のどんな手きびしい攻撃の矢先にもまともに耐えて立っていようと決心した...
堀辰雄 「楡の家」
...耐えてゆくべき苦しさや悲しさもあるわけです...
宮本百合子 「悔なき青春を」
...「……辛いこと苦しいことに耐えてゆく...
山本周五郎 「菊屋敷」
...はたして耐えてゆくことができるだろうか...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...「……お察しする」「仰っしゃるような辛(つら)さには耐えても...
吉川英治 「私本太平記」
...ひどい疲労に耐えていたのでもあるが...
吉川英治 「私本太平記」
...よく今日までを耐えてきた超人的な人々の力であった...
吉川英治 「私本太平記」
...十二ヵ年の辛苦と郷愁(きょうしゅう)に耐えて...
吉川英治 「新書太閤記」
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