...晩年には益々(ますます)老熟して蒼勁(そうけい)精厳を極めた...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...いずくんぞ知らん馬琴は忠臣孝子よりは悪漢淫婦を描くにヨリ以上の老熟を示しておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...加之(しかのみ)ならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...その塾生の中にはよほど年を重ねて老熟した者もあり...
高浜虚子 「俳句への道」
...其の智見余りに経世的にして且つ老熟なりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...後ろより危しと云ふ老の我れ走らんとするいと若き我青春と老熟の入り交つて平衡状態を保つ三十過ぎの心の在り方は恐らくこんなものであらうかなれど...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...また老熟者を驚かすに足ると...
正岡子規 「俳諧大要」
...さすがに老熟と見えたり...
正岡子規 「俳諧大要」
...天稟(てんぴん)とは言いながら老熟の致すところならん...
正岡子規 「俳人蕪村」
...老熟しすぎている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...老熟した彼の顔には...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しかし後には追い追い老熟した筆致を示し...
山本笑月 「明治世相百話」
...フランス文化の想像以上に老熟した姿に驚きを感じました...
横光利一 「我等と日本」
...文化の老熟とは、自然を変形する技術の進歩を意味します...
横光利一 「我等と日本」
...そして文武両面の政務にもつかれを知らない晩年人の老熟とを示してきた...
吉川英治 「三国志」
...憲房の老熟な思慮にくれぐれ善処を依嘱(いしょく)した...
吉川英治 「私本太平記」
...根気よく説いてみた彼の老熟の弁も...
吉川英治 「新書太閤記」
...老熟した人あつかいのうちに...
吉川英治 「平の将門」
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