...晩年変態生活を送った頃は年と共にいよいよ益々老熟して誰とでも如才なく交際し...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...加之(しかのみ)ならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...金柑にはまた老熟といふものがない...
薄田泣菫 「独楽園」
...この老作家の老熟した近作中でも...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...其の智見余りに経世的にして且つ老熟なりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...だんだん老熟の手腕が短篇のうちに行き渡って来たように思われる...
夏目漱石 「文壇の趨勢」
...後ろより危しと云ふ老の我れ走らんとするいと若き我青春と老熟の入り交つて平衡状態を保つ三十過ぎの心の在り方は恐らくこんなものであらうかなれど...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...もし此(かく)の如き題をものしてしかも多少の文学的風韻あらしめんとするは老熟の上の戯(たわむ)れなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...老熟せざる者は拙劣の句をものして失敗を取ること多し...
正岡子規 「俳諧大要」
...さすがに老熟と見えたり...
正岡子規 「俳諧大要」
...むしろ精神の老熟を意味してゐる...
三木清 「人生論ノート」
...むしろ精神の老熟を意味している...
三木清 「人生論ノート」
...この感覚は老熟した精神の健康の徴表である...
三木清 「人生論ノート」
...そして文武両面の政務にもつかれを知らない晩年人の老熟とを示してきた...
吉川英治 「三国志」
...憲房の老熟な思慮にくれぐれ善処を依嘱(いしょく)した...
吉川英治 「私本太平記」
...根気よく説いてみた彼の老熟の弁も...
吉川英治 「新書太閤記」
...老熟した人あつかいのうちに...
吉川英治 「平の将門」
...つまり四十代前半の人たちが十分に老熟した人に見えたのであるから...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
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