...春は唯この一ともとに雑沓するという老木の枝垂(しだ)れ桜は葉も落ちて...
岩本素白 「六日月」
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相馬御風 「坪内先生を憶ふ」
...萩の老木は口惜しいほど欲しかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...シューベルトの打ち震える老木のように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...古い古い柳の老木(おいぎ)と共に...
永井荷風 「狐」
...馬場美濃守以来という老木を...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにがしの寺の庭にある白膠木(ぬるで)の老木の實をむすびたるを見てくれなゐに染みしぬるでの鹽の實の鹽ふけり見ゆ霜のふれゝば((ぬるでの實は味辛し故に方言鹽の實といふ))三十日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...「老木(ろうぼく)は曲(まが)らぬ」とは邪道(じゃどう)に迷わぬの意より弾力なきを笑うの言である...
新渡戸稲造 「自警録」
...裏庭に一と抱(かゝへ)に餘る松の老木があるので知られた家で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んか用事で?」老木屋の主人勝藏に呼び留められて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...味噌か鹽を嘗めさせて居たといふが――此邊に聞えた大身代の老木屋の隱居が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老木屋の婆さんがやられましたぜ」この報告は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かなりの老木であったから仕方なかろう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...噴水と胡桃の老木を見捨てた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...老木の森に囲まれた苔むすお宮に参詣して見ても...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...また有名な老木などのない地にも...
柳田国男 「山の人生」
...老木に花が咲いたように...
吉川英治 「新書太閤記」
...例の鹿の群に木の芽立を荒らされるを恐れて殆んどこの木ばかりが植えてある奈良の春日神社の公園にかなりの老木があったと覚えていたが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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