...春は唯この一ともとに雑沓するという老木の枝垂(しだ)れ桜は葉も落ちて...
岩本素白 「六日月」
...低けれども、見事なる老木也...
大町桂月 「三里塚の櫻」
...竹柏(なぎ)の老木は寢おびれて夢さわがしく息づきぬ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...羅漢松(あすなろ)の老木(おいき)のもとに實(み)を蒔(ま)いて...
薄田淳介 「白羊宮」
...里内裏(さとだいり)老木(おいき)の花もほのめきぬ明治四十一年明易(あけやす)き第一峰(だいいっぽう)のお寺かな明治四十一年五月二十八日蕪(かぶら)むし会...
高浜虚子 「五百句」
...門の中には禿(ち)びて枝の踊っているような松の老木があり...
田中貢太郎 「春心」
...太陽!落葉松の老木は尊いすがたである...
種田山頭火 「旅日記」
...そしてこぶしの大樹と柘榴の老木の間のところへ皆(みん)なを集めた...
徳田秋聲 「余震の一夜」
...それがこう妙に空洞(うつろ)な老木の幹を見るような感じがするのです...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...老木屋(おいきや)勝藏の養父で今年六十八になる八郎兵衞は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その曲りくねつた梅の老木を眺めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それに月の良い晩は白梅の精が出るといふ位の老木で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...槙や海棠の老木が折重つてゐる門の傍らに土蔵の白壁が見えた...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...桑の老木が見える処へは横路でも何でもかまわず這入って行って貪(むさぼ)られるだけ貪った...
正岡子規 「くだもの」
...椎(しい)や(かし)類の老木が無数に繁茂して...
柳田国男 「海上の道」
...すつかり葉の落ちつくした桑の老木の...
若山牧水 「樹木とその葉」
...むきむきに枝の伸びつつ先垂りてならびそびゆる老松が群風の音こもりてふかき松原の老木の松は此處に群れ生(お)ふ横さまにならびそびゆる直幹の老松が枝は片なびきせり張り渡す根あがり松の大きなる老いぬる松は低く茂れり松原の茂みゆ見れば松が枝に木がくり見えて高き富士が嶺末とほくけぶりわたれる長濱を漕ぎ出づる舟のひとつありけり...
若山牧水 「樹木とその葉」
...二抱へ三抱へに及ぶそれ等の大きな老木がむつちりと枝を張つて見渡す野原の其處此處に立つてゐる...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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