...いくらヤキモキ騒いだって海千山千(うみせんやません)の老巧手だれの官僚には歯が立たない...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...彼は家来中での老巧者として知られた渡辺若狭守直綱を呼んで...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...さすがに老巧だと思つた...
田山録弥 「三月の創作」
...そこでかなり正確な数理と、着実とを以て、諄々(じゅんじゅん)と話しつつあるにかかわらず、七兵衛の頭におのずから熱を伝え、実際的に信頼のできる根拠があるだけに、七兵衛のロマン味をも刺戟すること一方ではないと見え、老巧な七兵衛が、海を説かれて、少年のような興味を植えつけられて、勇みをなした有様が、瞭々としてわかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...附添って来た村役人の老巧らしいのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうして老巧――といってもみな三十前後ですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...テレフンケンのメンゲルベルクの老巧さを第一とするだろう...
野村胡堂 「楽聖物語」
...申分なく老巧な選手で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...証拠をみんな掻き消すようなものだから」平太夫は老巧らしくそう言うのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...老巧な番頭の藤六が斯う言ひきるのは仔細(しさい)のあることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老巧(らうかう)の目明し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朝吉は老巧な岡っ引ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...最も老巧な医師でさえ時として避け得ない性質のものである...
牧逸馬 「土から手が」
...催主を始め老巧の人々...
山本笑月 「明治世相百話」
...釘勘も捕り物の老巧...
吉川英治 「江戸三国志」
...武士という気持に生きている金吾様自身の心もゆるすまい」九兵衛がその老巧な弁にまかせて...
吉川英治 「江戸三国志」
...百戦の老巧らしい落着きを失わずに訓(おし)えた...
吉川英治 「新書太閤記」
...さすがに東国の事情に精通している広常や常胤などの老巧であった...
吉川英治 「源頼朝」
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