...それに今一つ彼の木魚を叩きつゝあつた猫背の老尼の三藏を振返つた懶い目とであつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...そこのあるじは老尼だが...
田山花袋 「道綱の母」
...かの女は佛間に向うむきに坐つて讀經してゐる老尼の方に目を遣らずにはゐられなかつた...
田山花袋 「道綱の母」
...老尼は念珠を手まさぐりつゝ佛の名を唱へた...
田山花袋 「道綱の母」
...珠数(じゅず)を爪繰(つまぐ)りながら老尼が燈外庵の庵を出ようとすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...老尼は、われと気を鎮めてみたが、魔障わが精進をさまたぐるか、と言って躍起となる意気もないようであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...老尼はいよいよ気になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...侵入者をいじらしがるわけもないものだが、老尼は、もうこっちのものだと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その傍らにお給仕役をつとめながらの若い老尼が...
中里介山 「大菩薩峠」
...老尼と拾った若い貴女(きじょ)のために祈りをし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...耳の遠い老尼はそばの者に聞き返して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...浮舟の姫君はめんどうな性質の人であると聞いていた老尼の所でうつ伏しになっているのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...掌を合せて念じるしか――老尼には政子を慰めることばもないのである...
吉川英治 「源頼朝」
...老尼の小さい体の行く先を見ていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...老尼の連れがいるにちがいない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...立ちどまったが――老尼はすぐ眼元にやさしい笑みをたたえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「いただいておけ」と、権之助が、伊織にかわって、礼をのべると、老尼はまた、「おことばの様子では、御兄弟でもないようじゃの...
吉川英治 「宮本武蔵」
...するとこの老尼の息子も...
吉川英治 「宮本武蔵」
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