...其の寺院に名音(みょうおん)と云う老尼がいた...
田中貢太郎 「法華僧の怪異」
...此の老尼こそかの老人雑話に見える三成が息女...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...さういふ名所があると申すのではないのでございますね?』『さう土地のものは申してをりますのう……』老尼は一つ一つ珠數を數へながら段々話し出すのだつた...
田山花袋 「道綱の母」
...老尼は念珠を手まさぐりつゝ佛の名を唱へた...
田山花袋 「道綱の母」
...一人の老尼が守っている...
外村繁 「澪標」
...この若々しい老尼の頭に魔がさしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...世をいとふつひのすみかと思ひしになほうき事はおほはらのさと」それから物ぐるわしくなったこの若々しい老尼は...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこで若い老尼は全く立ちすくみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...作り声ではない、ほんとうに疲れきってもいるし、飢えきってもいるし、或いは疲労以上の、飢餓以上の、瀕死(ひんし)の境にいるのではないかとさえ見られるのですから、老尼にも一点、憐憫(れんびん)の心が起ってみると、恐怖心の大半が逃げました...
中里介山 「大菩薩峠」
...老尼はいよいよ気になりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...侵入者をいじらしがるわけもないものだが、老尼は、もうこっちのものだと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...浮舟の姫君はめんどうな性質の人であると聞いていた老尼の所でうつ伏しになっているのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...昔抽斎の父允成(ただしげ)の茶碗の余瀝(よれき)を舐(ねぶ)ったという老尼妙了(みょうりょう)である...
森鴎外 「渋江抽斎」
...この老尼は天明元年に生れて...
森鴎外 「渋江抽斎」
...一人として老尼の世話をしようというものはなかった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...九十歳を越える花朝老尼がおられたが...
柳田国男 「故郷七十年」
...あの老尼が丹精して摘(つ)んだものを……」武蔵は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...老尼のほうは、白練(しろねり)の絹の頭巾をかぶり、これも竹箒を手にして、「……ほ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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