...嘗て三津の埠頭に立つて京都の天地を翹望した如く今は京都の古家の一間に籠居して東都の空を望むのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...我々のただ夢のようなる翹望(ぎょうぼう)と申すべきでありましょう...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...一身の力をしぼって太陽を翹望(ぎょうぼう)していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...諸国民や諸民族の親和にたいする敬虔(けいけん)な翹望(ぎょうぼう)――それをこれらの青年らは何たる盲目な暴戻(ぼうれい)さをもって冒涜(ぼうとく)してることだろう! われわれが征服したあの怪物を愛惜し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...翹望である以上、固より、対象として「自由」を持つものではあるが、かかる「自由」は、本来、生活それ自身と合体しているものであり、謂わば、生活が本能的に持っている一面である...
豊島与志雄 「自由主義私見」
...僕達は君の詩作を翹望している...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...新生活への、新社会への、翹望と期待、まだ仄かではあるが明かに感知せらるる黎明……そんなものをそれは含んでいる...
豊島与志雄 「性格を求む」
...中に盛られてる作者の生活的翹望から来る...
豊島与志雄 「文学以前」
...内心の翹望や憤激や情熱をにじみ出させる...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...その新しい・きびしいものへの翹望(ぎょうぼう)は...
中島敦 「環礁」
...緊張せる生活はその自然的な補いとして創造、争闘の緊張、翹望を持つ――...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...生活の変貌を翹望する――斯ういふ意味のことは口にしたり記述されたりする場合に接すると多く無稽感を誘はれるものだが...
牧野信一 「凩日記」
...とそれを翹望してゐた間は可成り長かつたが...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...「伸子」の苦悩と翹望とは...
宮本百合子 「あとがき(『伸子』第一部)」
...プロレタリア技術発展への翹望...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...人生への翹望が情感的な爆発(翹望それなりで)をする女の燃えかた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...万人の翹望(ぎょうぼう)する上流階級の特権なるものは皆この悪魔道に関する特権に外ならず...
夢野久作 「悪魔祈祷書」
...同時に翁のそこまでの苦心とこれに対する一般人士の翹望(ぎょうぼう)は非常なものがあったに違いない事が想像されるので...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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