...○さて又おんべといふ物を作りてこの左義長に翳(かざし)て火をうつらせ焼(やく)を祝事(しゆくじ)とす...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...いかに日本人が陰翳の秘密を理解し...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...浴衣のうへに貸し褞袍を重ねて番傘を翳しながら其處らを退屈さうにぶら/\歩いてゐたりするのを見掛けるが...
近松秋江 「箱根の山々」
...「ダーリヤはおきらひ?」少女はその一輪をまた髪の上に翳して見せた...
津村信夫 「挿頭花」
...併し耕地の換算や国粋建築にとって仇敵のようなメートル法を振り翳す商相のことだから...
戸坂潤 「社会時評」
...稍々其の顔面を曇翳を浮かべつゝ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...おつぎは「おゝ冷(つめ)てえ」といひながら竈(かまど)の口(くち)から捲(まく)れて出(で)る(ほのほ)へ手(て)を翳(かざ)して「今朝(けさ)は芋(いも)の水(みづ)氷(こほ)つたんだよ」とお袋(ふくろ)の方(はう)を向(む)いていつた...
長塚節 「土」
...陰翳をなして居る所が却て青い...
長塚節 「菜の花」
...一(ひと)つ火鉢(ひばち)の兩側(りやうがは)に手(て)を翳(かざ)しながら...
夏目漱石 「門」
...岩見重太郎(いわみじゅうたろう)が大刀(だいとう)を振り翳(かざ)して蟒(うわばみ)を退治(たいじ)るところのようだが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その時は」濃い死の翳(かげ)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その長い影でドニェープルを翳さうとするが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...これを振り翳す幟持の一隊を新たに組織しようといふ議が起つてゐるとのことだつたのです...
牧野信一 「早春のひところ」
...月がさすとこんな装飾が皆光ったり翳ったり...
柳田国男 「雪国の春」
...提灯の明りを翳(かざ)して口々に...
吉川英治 「江戸三国志」
...青いほどな唇の臙脂(べに)や化粧の翳(かげ)にはそんな容子もうかがわれる...
吉川英治 「私本太平記」
...口のはたに翳(かざ)して...
吉川英治 「親鸞」
...手を翳(かざ)して見ていると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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