...習慣として、襖を僅に開け、この隙間に訪問者は頭をさし込むと同時に低くお辞儀をし、両手を下方にある溝のついた場所へ置くのであるが、彼はこの溝に例の扇を置いて、襖が突然両方から彼の頬をはさむことを防ぎ、かくて或は暗殺されるかも知れない彼自身を保護するのであった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...だからこそ二十三になる今日まで――農村の習慣として女は二十歳をすぎれば婚期おくれの烙印を捺される――誰も嫁にほしいと言ってくれる者がないのかも知れない...
犬田卯 「錦紗」
...茶を飲むことを不潔な習慣として口をきわめて非難した...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...当時の習慣として何処の店でも売上高と店員数との申し立てはだいたい半分であった...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...ドイツの習慣として開演の時間が早いので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...当時まだ残っていた習慣として...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...靱負は、遠島という処分になったのであるが、この処分は、習慣として、自裁をすすめる方法であった...
直木三十五 「南国太平記」
...わたくしは其頃家の習慣として珍客の来訪する時...
永井荷風 「冬の夜がたり」
...私の習慣として、手紙は読んで了へば、大概棄てるし、殊に訃報は直ちに破くのであるが、此度も私は読み終るや破かうとしたが、ハツと思つて思ひとゞまり、薄墨色のインクで印刷された端書をもう一度マジ/\と見直した...
中原中也 「逝ける辻野君」
...日本の習慣として...
夏目漱石 「こころ」
...其頃(ころ)の習慣として...
夏目漱石 「それから」
...そして実際に多くの古い医師や外科医の側面がその時期の様子や習慣として与えられる...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...古来の習慣として男子が妻を娶(めと)らうと思ふ時には先づ自分の好きな女に直接に話し合ふて見る...
正岡子規 「病牀六尺」
...本人は(私は)まだそれが習慣として身につくところまで行っていないから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一年平均二回ばかり全く無方針にケイレン的にトギレトギレにディレッタント風の悪習慣として十五年間芝居をして来た俳優が...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ごったくやの習慣として...
山本周五郎 「青べか物語」
...当時の習慣としてこれは側女であるが...
山本周五郎 「松林蝙也」
...それを習慣としてしまうまで押しきりたくなるのが...
横光利一 「旅愁」
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