...そこで羮(あつもの)を獻ろうとして青菜を採(つ)んでいる時に...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...蒼求の火といふのは、祇園社に大晦日の宵から元朝寅の刻へかけて行ふ削掛の神事に、一切の凶惡を除祓ふために、この削掛の火を參詣の人が蒼求(不祥を除く草にて火繩のごとく作りたるもの)に移して、その火を消さぬやうに持つて皈つて、元朝の羮を炊ぐ...
竹久夢二 「砂がき」
...昨夜江頭(こうとう)碧波(へきは)を湧かす満船都(すべ)て相公の※(しお)を載す雖然(たとい)羮(こう)を調(ととの)うるの用をなすことを要するも未だ必ずしも羮を調(ととの)うるに許多(おおき)を用いず秋壑はそれを聞いて...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...五橋羊羮(岩国名物と自称する)を一きれ食べる...
種田山頭火 「行乞記」
...そこに常葉が高つきに羊羮を入れて運んで來た...
田山花袋 「道綱の母」
...菓子鉢の羊羮を一切れつまみあげていた...
豊島与志雄 「自由人」
...」「お羊羮は?」「成年者だね...
豊島与志雄 「自由人」
...」羊羮をかじり茶をすすり...
豊島与志雄 「自由人」
...羊羮だとかカステーラだとかモナカなどの菓子折は...
豊島与志雄 「慾」
...而も羊羮色になつた黒のモオニングに...
南部修太郎 「猫又先生」
...お伽噺(とぎばなし)風の羮(スウプ)となり...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...コン吉とタヌが旧港(ヴィユ・ポオル)に近い旗亭(レストオラン)の露台で名代の香煎魚羮(ブイヤベイス)を喰べ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...羮(しる)にして飲ませたとか書き立てたるを評して残酷も極まり過ぎるとかえって可笑(おか)しくなるといった...
南方熊楠 「十二支考」
...この前のは羊羮づくしで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...藻※魚羮侑杜...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...七種菜羮香迸案...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...「牆羮」の二字を巻首に題した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...仁羮はすなわち人魚の肉であった...
柳田国男 「山の人生」
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