...勿論問ふ人も義理で問ふのであるから...
伊藤左千夫 「奈々子」
...そっちこっち奔走していたんで……友達の義理でどうもしかたがなかったんだ...
徳田秋声 「新世帯」
...せっかく仲人に立ってくれた道庵先生への義理でもあると...
中里介山 「大菩薩峠」
...それをわたくしらがここにいて充分に休みたいなんぞとは申し上げられた義理ではないのでございますが...
中里介山 「大菩薩峠」
...関の清水か――山科谷へ」「そこへお帰りにならねばならぬ義理がおありなのですか」「義理で帰るというわけではないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...向(むこう)で口なんぞ利(き)けた義理でもないんだから」姉の言葉は出来るだけ健三の意を迎えるような調子であった...
夏目漱石 「道草」
...まあどっちにしたって大した変りはないんだがね」彼は蟇口の悪口(わるくち)ばかり云えた義理でもなかった...
夏目漱石 「明暗」
...平次の舌が腐っても言われた義理ではなかったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...先代への義理で御座います...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...捕頭は秋葉の小平親分」「お前も一枚入つたのか」「あつしもたまには仲間の義理でね」「仲間の義理で俺を出し拔いたといふのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...照子の前では云へた義理ではなかつたが...
牧野信一 「妄想患者」
...本來ならば來られた義理ではないぢやあないかと思ひながら...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...いま言った義理で手荒いことはいっさい封じられたようなもんでね...
三好十郎 「胎内」
...あたしがおまえになにか義理でもあるというのかい」「白ばっくれるな」「それはこっちで云うせりふだ」お豊の声も高くなり...
山本周五郎 「花も刀も」
...すると離別した方への義理で達弥を放逐した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どうしていえた義理でしょう...
吉川英治 「私本太平記」
...一宿の義理である...
吉川英治 「新書太閤記」
...周馬は義理でたずねると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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