...眞に誇るに足り羨むべき境遇は祖先傳來の土地に住む田舍紳士のそれに過ぎたるはないといふ考だものだから...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...萬人の羨む身の幸福が今眼の前に迫りつゝあるのに手古奈其の人の平氣さ...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...他の腰弁生活を羨むほどの事は無い...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...この快走王を羨むあまり...
海野十三 「地球盗難」
...羨む群ぞ愚かなる...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...先生を羨むことなのであった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...X君夫妻の短い生涯も亦羨むに足る夢を以て貫かれていた...
辰野隆 「感傷主義」
...私は美貌を羨む嫉妬の情が...
谷崎潤一郎 「秘密」
...太廟の林に自然棲息してる鷺を羨むものなどがありました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...よく西洋の絵にかかれた美女の群(むれ)の戯れ遊ぶ浴殿(よくでん)の歓楽さえさして羨むには当るまい...
永井荷風 「伝通院」
...日頃芸者の栄華を羨む民衆の義憤は又野蛮なる劣情と混じてここに奇怪醜劣なる暴行が白日雑沓の中に遠慮なく行われた...
永井荷風 「花火」
...伯父の一つの道への盲信を憐れむ(あるいは羨む)ことは...
中島敦 「斗南先生」
...社会機構を学んだ彼はたちまちそれらの馬車を羨むことになっていただろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...人のものを羨むと云ふことにのみあこがれて来た彼の眼には...
平出修 「夜烏」
...「羨むことも悲しむこともありはしない...
牧野信一 「船の中の鼠」
...その睦(むつ)まじきを羨むにつけ...
南方熊楠 「十二支考」
...わたしの上席権を羨む者には誰にでもそれを譲ってやった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人目も羨むほどなと...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??