...同時にまたそう云う妹の羞恥(しゅうち)を享楽したい心もちもした...
芥川龍之介 「春」
...気羞しくて厭だと言つては甚(どんな)に作松に叱られたか知れない...
石川啄木 「赤痢」
...心羞(うらはづ)かしさと落膽(がつかり)した心地でお八重の顏を見ると...
石川啄木 「天鵞絨」
...やや羞含(はにか)んで歩いていたのを思い出した...
海野十三 「三人の双生児」
...君の小さい眼に羞恥(しゅうち)の情を見せるところなど頗(すこぶ)る人を悩殺するものがあった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...含羞(がんしゅう)でもあった...
太宰治 「八十八夜」
...四郎が去った後で閻は羞(はじ)と憤(いきどお)りにたえられないので自殺しようと思って...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「五通」
...何(なん)とあらう!姫(ひめ)の頬(ほゝ)の美(うつく)しさには星(ほし)も羞耻(はにか)まうぞ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...一寸羞づかしかつたのであらう...
中島敦 「かめれおん日記」
...あの小心で、羞かみやで、いつもストイツクに感情を隱す男が、その時顏色を變へて烈しく言つた...
萩原朔太郎 「宿命」
...私はあたかも夢から覚めたかのように何んともかとも言いようのない恐怖と羞恥とに襲われた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...素性(すじょう)を知られることについてのわたしの羞恥(しゅうち)と恐怖(きょうふ)があまりひどかったので...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...然し一日も休まぬといふことを何よりの誇りとしてゐる仲間の方では恐らく彼のやうな怠け者の姿をよしや見附けたところで見ぬふりして過ぎた筈(はず)である――彼の顔面は懶惰(らんだ)の羞恥(しうち)で堅くなつてゐた...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
......
森川義信 「あるるかんの死」
...その娘がよそへ嫁ぐときわしに買ってよこした物でさ」老人は少し羞(はじ)らいながら...
山本周五郎 「麦藁帽子」
...私に断えず附き纏(まと)っているものは自負の反対に立つ不足不備の意識と謙抑羞恥の感情とである...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...「そんなに羞(はず)かしいかえ……」お延はしどけない妖姿を...
吉川英治 「剣難女難」
...餓鬼のように髪ふりみだして女の羞恥(しゅうち)もわすれた生態を見るたびに...
吉川英治 「私本太平記」
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