...それから――もう一度羞(はづか)しさうに笑つた...
芥川龍之介 「あばばばば」
...この女は云はば含羞草(おじぎさう)である...
芥川龍之介 「あばばばば」
...俄(にわ)かに何かに羞(は)じるようにこうY中尉に声をかけた...
芥川龍之介 「三つの窓」
...從つて凡才は常に天才の知らざる羞恥の心を以つて天才の天空を行く烈日の如き眩しさを仰ぎ見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...男に對してどことなくうぶな羞恥を帶び...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...持前(もちまえ)の羞恥(はにか)み屋から小さくなったのでもあろうが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...道徳も羞恥もなかった筈だね...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...内面の羞耻と、外面の堂々さと、―――此の矛盾を抱いた子供が肩を怒らして武張(ぶば)って立っている様子は、幾分滑稽(こっけい)だったであろう...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...私の羞恥は狼狽する...
外村繁 「澪標」
...J日本人には含羞的性質が多分にあると云われている...
豊島与志雄 「風俗時評」
...野性と羞恥心と、自尊心と情熱と、痴愚と叡智と、極端から極端に動く女の心持は、平次に取ってもなかなかの観物です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...セエラは皆に見られても別に羞らう様子もありませんでした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...彼は穴へもぐり度いやうな羞恥を感じた...
牧野信一 「凸面鏡」
...お久美さんは何を思ったのかポーッと顔を赤くして羞(はにか)む様に微笑するのを見て子は何も彼もすっかり分った様な気がして薄笑いをしながら頭を左右に揺り動かして...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...何とも知れぬ動物くさい喜びで気羞しいのは...
横光利一 「夜の靴」
...わたしの外(ほか)に聞き慣れぬ男の気息(いき)に羞(はぢ)らふか...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...その上にもの花羞(はなはず)かしさよ...
吉川英治 「私本太平記」
...さすが女性(にょしょう)のほうは羞恥にたえないというよりは酷(むご)い仕置きにでもあっているように花の顔(かんばせ)を捻(ね)じかくしたきり息をつめている様なのであるが...
吉川英治 「私本太平記」
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