...堅(かた)き因縁(いんねん)の羈絆(きずな)で縛(しば)られているというのであります...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...放縦に大胆に、不羈(ふき)、専横(せんおう)に、心のままにして差支えない...
泉鏡花 「海神別荘」
...一 羈旅二 酔後三 喪中四 幽囚五 陣営六 病蓐七 僧院八 林泉(一)羈旅は舟車客館其総べてを包羅するのであるが...
市島春城 「読書八境」
...謫居生活は或る点に於て羈旅と其趣を同じうする...
市島春城 「読書八境」
...一つは前にも述べた如く人に縋らずに独立不羈で商売をやって行きたいという信念からであった...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...「これでこそ新夫婦の住家らしい」と漸く松葉屋の羈絆を免れた照ちやんの身の上を喜ぶらしかつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...これはとりもなおさず和歌はある点まで四季すなわち時候と深い関係をもっているがしかし無関係でも成り立ち得るのみならず恋、羈旅、無常などという強く人情を刺激する性質のものにはさらに季のものを必要としないということを証明しているのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...人間の仲間入りをして社会の羈絆(きはん)の中に暮そうと思えばこそ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...人各々の――自由な不羈独立な――人格の如何によることになるわけである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...彼らはその独立不羈(ふき)の信条にもかかわらず...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフの狂暴な独立不羈(ふき)の精神に魅せられてしまって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...不羈卓犖(ふきたくらく)というようなことを尚(たっと)ぶので...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それからあとは不羈自由(ふきじゆう)であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...羈絆(きはん)を脱して自由を求むる本能性の溢れきったこの猛獣族を...
中里介山 「大菩薩峠」
...子路が他の所ではあくまで人の下風に立つを潔しとしない独立不羈(ふき)の男であり...
中島敦 「弟子」
...その狷介不羈(けんかいふき)な魂と...
野村胡堂 「楽聖物語」
...不羈奔放な、荒ぶる青春の遊び友だちが一人また一人と次ぎ次ぎに世を去つて、つひにはただひとり彼等の仲間を置き去りにするのも、ちやうどこれと同じではなからうか? 取り残された者は寂しい? ひしひしと胸せまり、悲しみに心はふさがれても、如何とも慰めよう術もない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...不羈独立の地位を有しているのだから...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
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