...羈旅に無くして此れにあるのは憂憤の情の激越であることだ...
市島春城 「読書八境」
...御情に羈(ほだ)されて...
巌谷小波 「こがね丸」
...九 椿岳の人物――狷介不羈なる半面椿岳の出身した川越の内田家には如何(いか)なる天才の血が流れていたかは知らぬが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...人間の仲間入りをして社会の羈絆(きはん)の中に暮そうと思えばこそ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...いかにして国力を充実させて英国の羈絆(きはん)から祖国を解放するかということに...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...窮屈な羈絆(きはん)の暑さのない所には自由の涼しさもあるはずはない...
寺田寅彦 「涼味数題」
...人各々の――自由な不羈独立な――人格の如何によることになるわけである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...クリストフの狂暴な独立不羈(ふき)の精神に魅せられてしまって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...フラマン人は西班牙(スペイン)政庁の羈絆(きはん)を脱するや最近十九世紀の文明に乗じて一大飛躍を試みたる国民たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その狷介不羈(けんかいふき)な魂と...
野村胡堂 「楽聖物語」
...狷介不羈(けんかいふき)...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...不羈奔放な、荒ぶる青春の遊び友だちが一人また一人と次ぎ次ぎに世を去つて、つひにはただひとり彼等の仲間を置き去りにするのも、ちやうどこれと同じではなからうか? 取り残された者は寂しい? ひしひしと胸せまり、悲しみに心はふさがれても、如何とも慰めよう術もない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その放縦不羈(ほうしょうふき)世俗の外に卓立せしところを見るに...
正岡子規 「俳人蕪村」
...現在の社会状態と自分の衷心に遺っているらしい昔の羈絆を顧みた時...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...不羈独立の地位を有しているのだから...
山下博章 「「プラーゲ旋風」の話」
...その他もろもろの羈絆(きはん)を脱したような...
山本周五郎 「青べか物語」
...やはり不羈(ふき)の民たることは争えない...
吉川英治 「私本太平記」
...大酒家の上に豪放不羈(ごうほうふき)な性格だった...
吉川英治 「松のや露八」
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