...垢着いた毛糸の首卷と毛羅紗の鳥打帽を打釘に懸けて...
石川啄木 「病院の窓」
...紫色の丸顔! 頭に小さな漉羅紗帽(すきらしゃぼう)をかぶり...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...遠藤長之助は洋服の上へ黒羅紗(らしや)のマントをかけてやつて來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...例の談判にやって来た時の上等な広幅羅紗の一着を着ていたが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...それは鮮かな染色の黄羅紗の掛布の上にぴかぴかする乗馬用の革鞍が置いてあり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...大切にしてゐた赤い羅紗(らしや)の紙入まで置いて行つたくらゐですもの」「いづれお玉の手廻りの道具や荷物を見せて貰はう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...紺羅紗の煙草入を死骸の側へ置いて來たのが心配になつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「わッ」羅紗陣羽織の肩から鮮血を吹き上げて...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...黒羅紗の立派なジヤンパーを腰のところで締め...
原民喜 「壊滅の序曲」
...青羅紗(あおらしゃ)の上で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...すでに粗羅紗の外套の袖口からぬつと出た怖ろしい手が彼の耳を掴んで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...啻に従前絹製品や羅紗や綿製品を供給した工業家や労働者が失業するばかりでなく...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...薄い羅紗の地質を通して素肌の上に焼け付くのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...金と銀の色紙と短冊の模様を刺繍した緋羅紗(ひらしゃ)の帯を乳の上からボンノクボの処へコックリと背負い上げて...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...新聞の切抜を貼り付けた羅紗紙(らしゃがみ)の綴じたものと一緒に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...水兵達が右の袖に着けてゐる一對の赤羅紗の碇とを結びつけた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...羅紗(らしゃ)の烏賊帽子(いかぼうし)が...
吉川英治 「松のや露八」
...フロイスはキモノの上にポルトガルの羅紗のマントを羽織った...
和辻哲郎 「鎖国」
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