...不手際に丸く黒羅紗のつぎが當ててあつた...
石川啄木 「菊池君」
...遠藤長之助は洋服の上へ黒羅紗(らしや)のマントをかけてやつて來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...――船場(せんば)の方にお店のある羅紗(ラシャ)問屋のお嬢様で...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...白い羅紗(らしゃ)の背広にイタリアンストロウの夏帽子をかぶった肥(ふと)った男と白がかった夏外套(がいとう)をはおった背の高い男とが庫裡の入り口に車をつけて...
田山花袋 「田舎教師」
...部屋は床(ゆか)いちめんに灰色の兵隊羅紗(らしゃ)が敷きつめてある...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...この老人は杉村といって銀座西何丁目に宏大(こうだい)なビルジングを持っている羅紗屋(ラシャや)の主人である...
永井荷風 「ひかげの花」
...高い金を出して羅紗(らしゃ)なんぞを買い込みやがる...
中里介山 「大菩薩峠」
...大事な黒羅紗の山の裏から表へ指を突き通して見せたので...
夏目漱石 「道草」
...スコツチの靴下(くつした)と縞羅紗(しまラシヤ)の洋袴(ずぼん)を乾(かわ)かした...
夏目漱石 「門」
...昔は玉羅紗とかアルパカだの...
林芙美子 「玄關の手帖」
...虎の皮の大衿(おおえり)のついた緋羅紗(ひらしゃ)の胴服(どうふく)を着こんでいるのが...
久生十蘭 「ひどい煙」
...白い羅紗の長上衣を著た年寄りの女たちは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...机掛の羅紗の上に二三粒滾び落ちた涙の珠を...
牧野信一 「白明」
...また「みる類ヲ食用ニ供シタルハ往古ヨリ行ハレシモノニシテ弘仁式ニ尾張ノ染海松ヲ正月三日ノ御贄(おんべ)ニ供ストアリ而シテ現今本邦ニテ主トシテ用イラルルハみる及ビひらみるノ二者ナリ是等ハ生食セラルルコト稀ニシテ多クハ晒サレテ白色ニ変ジタルヲ乾シ恰モ白羅紗ノ如クナルヲ販売セリ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...上等の黒羅紗の上着と白い胴衣(チョッキ)とを着た...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...自分はその日黒羅紗の服を着てゐた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...眼の前の緑色の羅紗(らしゃ)の平面を凝視していた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...嘗(かつ)て何かの挿画で見た路易(ルイ)王朝式というのであったろう……緋色(ひいろ)の羅紗(らしゃ)に黄金色の房を並べた窓飾(カーテン)や卓子被(テーブルクロス)...
夢野久作 「冥土行進曲」
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