...無病の人をして清潔なる寐床(ねどこ)の上に置きしかして彼は危険なる病に罹れる患者なれば今は病床の上にありと側(かたわら)より絶えず彼に告ぐれば無病健全なる人も直(ただち)に真正の病人となると...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...疾病(やまい)に罹(かか)って弱い人は斃(たお)れて強い人は存(のこ)るのであります...
内村鑑三 「デンマルク国の話」
...其の人は已に現時流行の神経衰弱症に罹つて居ると診断せざるを得ぬ故...
丘浅次郎 「人類の将来」
...彼は9月30日にコレラに罹り...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...二度も罹災(りさい)する前に...
太宰治 「庭」
...無病息災を売物のようにしていた妹婿の吉田が思いがけない重患に罹って病院にはいる...
寺田寅彦 「障子の落書」
...自分こそ近頃神経過敏症に罹(かか)っているのではなかろうかと不愉快な心配をした...
夏目漱石 「行人」
...女の精神病に罹(かか)った事にもまるで触れなかった...
夏目漱石 「行人」
...罹災以来、絶えず飢ゑと屈辱をくぐり抜けて来た、この僕に、死の臭がまつはりついてゐたとしても致し方のないことであつた...
原民喜 「飢ゑ」
...罹災以来ひどく兇暴な眼ざしになつてゐた...
原民喜 「小さな村」
...罹災者に対して何の温かい手も差しのべられなかつた...
原民喜 「廃墟から」
...腸(ちょう)窒扶斯(チブス)に罹って中々の難症...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そいつらを皆病気に罹(かか)らせて自分のように朝晩地獄の責苦(せめく)にかけてやったならば...
正岡子規 「病牀苦語」
...この種の弊害に罹ることもおそらく一般の習いであろう...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...病に罹つて死んだのは事実であらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...今では罹災者(りさいしゃ)に給与するもののように考えられているが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...官営万能(まんのう)※に罹(かゝ)つて居る日本と違つて格納庫も其れに納めてある飛行機も総(すべ)て私人の所有である...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...彼等は烈しい熱病にでも罹つたやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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