...罵るともつかずに...
芥川龍之介 「猿」
...罵る聲、浪の音に和して、混雜一方ならざるさまは、舟中の指、數ふべしと言ひけむ昔も思ひやらるゝばかり也...
大町桂月 「金華山」
...嗜虐性色情狂(サディスト)と罵る者あらば...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼れが争闘の力に富めるは恰も英国のオーコンネルに似たり其口を開けば輙ち罵る所...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...よっぽどおめでたく出来ている殿様だと口穢(くちぎたな)く罵る者もありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰も相手にしないで罵るだけ罵らせ...
中里介山 「大菩薩峠」
...また樹の下へきて罵る狐どもの頭の上へ...
長谷川時雨 「春宵戲語」
...罵るとは? 心中に軽蔑(けいべつ)していたことである...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...口を極めて罵るような悪魔的なものでもなかった...
久生十蘭 「泡沫の記」
...罵る相手に蛄(ざりがに)をつかんで投げつけてゐるのや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...Zを罵るほどの発声も適はぬ私にはそんな叫び声が挙げられる筈もなかつた...
牧野信一 「剥製」
...王の九十九女一時腰曲り形毀れて誰も婚する者無かれと罵ると...
南方熊楠 「詛言に就て」
...ミツは口汚なく罵ることをしないで氣味惡く默つてゐるばかりで...
室生犀星 「神のない子」
......
山之口貘 「鮪に鰯」
...だれか罵るようにいう...
吉川英治 「江戸三国志」
...親類でも手にかけて、そのそッ首を公儀にさし出さねば」兵九郎の槍が、殺意を示し、こう憎み、罵ると、「よせやい、叔父貴...
吉川英治 「大岡越前」
...また今日の空閑地を罵るやうな一片の感情でないことは...
吉川英治 「折々の記」
...彼は社会の悪と人間の愚とを罵るが...
和辻哲郎 「転向」
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