...追つて、翌十日は、朝来小雨有之候へども辰(たつ)の下刻より春雷を催し、稍(やや)、晴れ間相きざし候折から――村郷士梁瀬(やなせ)金十郎殿より、迎への馬差し遣はされ、検脈致し呉れ候様、申し越され候間、早速馬上にて、私宅を立ち出で候所、篠宅の前へ来かかり候へば、村方の人々大勢佇(たたず)み居り、伴天連(ばてれん)よ、切支丹(きりしたん)よなど、罵り交し候うて、馬を進め候事さへ叶ひ申さず、依つて、私馬上より、家内の容子差し覗き候所、篠宅の戸を開け放ち候中に、紅毛人(こうまうじん)一名、日本人三名、各々法衣(ころも)めきし黒衣を着し候者共、手に手に彼(かの)くるす、乃至は香炉様の物を差しかざし候うて、同音に、はるれや、はるれやと唱へ居り候...
芥川龍之介 「尾形了斎覚え書」
...彼は昨日(さくじつ)「小咄(こばなし)文学」を罵り...
芥川龍之介 「病牀雑記」
...酒店の人の罵り噪(さわ)ぎつゝ走り寄りアヌンチヤタと媼との我前に來るを見し時なりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...象徴詩を罵り始めた...
生田春月 「聖書」
...黒山の見物人には、人の姿は見えぬけれど、罵り合う声で、二人が危険な争いを続けていることが分るので「あぶない、あぶない」とわめき立てる声が、嵐の様にわき返る...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...」と彼は罵り言葉と共に言うのだった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...領主は彼に功立てし勇士をいたく罵りて...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
......
峠三吉 「原爆詩集」
...而してこれがその償いになるものかと罵り申し候...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...大言に罵り置きたれば...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...園田男は其内閣を認めて帝國の國體を破壞するの内閣なりと罵り...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...この居酒屋をやつてゐる老婆と罵りあつてゐた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...さういふ時だけは真剣になつて罵りまくつてゐた同人物とは...
牧野信一 「好色夢」
...龍太は僕の罵り声が次第に激しく(何故なら僕はその後龍太に出会ふ毎に...
牧野信一 「凩日記」
...」ドラ声な父の罵りを後ろにした私は...
牧野信一 「痴想」
...淫婦めッと心に罵りながら...
吉川英治 「剣難女難」
...そして罵(ののし)り罵り馬に鞭打って...
吉川英治 「三国志」
...彼はまたいつものように仏教を罵り...
和辻哲郎 「鎖国」
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