...何だか普通の人とは黒玉の置き所が少々違つて居るやうだ...
石川啄木 「雲は天才である」
...彼は實に不便な思ひをしながらも、最も人に迷惑をかけないやうな身の置き所から、身の置き所へと、恰も飛石づたひのやうに拾ひ歩かなければならなかつたのである...
太宰治 「知らない人」
...極端に云えば身の置き所もないような境涯なのだから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...一体この置き所も悪いものですから」と云った...
寺田寅彦 「ある日の経験」
...しかし現在自分は身の置き所もないほどの身だ...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...ほとんど五体の置き所を失った気色が...
中里介山 「大菩薩峠」
...先(ま)ずやっと身の置き所があるという程度の部屋であった...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...まず第一に困ったのは置き所だね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「それで置き所だけは出来た訳だが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...世の中が四尺(しゃく)五寸(すん)になりにけり五尺のからだ置き所なしと嘆(なげ)くにいたるであろう...
新渡戸稲造 「自警録」
...多少修繕をしたら使へやしないかしら……」「だつてそんな置き所もありはしない...
牧野信一 「悪筆」
...身の置き所の無い様な失望と激しい情無さで...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「つれなさを昔に懲りぬ心こそ人のつらさに添へてつらけれ『心づから』(恋しさも心づからのものなれば置き所なくもてぞ煩ふ)苦しみます」「あまりにお気の毒でございますから」と言って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...色変はる袖をば露の宿りにてわが身ぞさらに置き所なきはずるる糸は(侘(わ)び人の涙の玉の緒とぞなりぬる)とだけ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...身の置き所もない気がした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...知らない所に置き所があったんじゃないかと思うほどで...
柳田国男 「故郷七十年」
...天下に身の置き所もなかったお尋ね者の境遇だった...
吉川英治 「三国志」
...身の置き所もない庵室だった...
吉川英治 「親鸞」
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