...あるいは罪のない問答の前に娑婆苦を忘却した宣教師のように小さい幸福を所有していた...
芥川龍之介 「少年」
...喜びも悲みも罪のない事許り...
石川啄木 「二筋の血」
...罪のない体でしたから...
田中貢太郎 「愛卿伝」
...どうか罪のないことを明かにしてください」王の側に緑袍(りょくほう)を著て笏(しゃく)を持った者が坐っていた...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...あなた様のような罪のないお稚児に...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...それにつけても昨夜のキ印老人は罪のない事をいつた...
種田山頭火 「行乞記」
...口をいっぱいにあいて下へ落ちたせんべいのありうる可能性などは考えないで悠然(ゆうぜん)として次のを待っている姿は罪のないものである...
寺田寅彦 「あひると猿」
...こういう善良な罪のない不満に対しては同情しないわけにはいかない...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...お今の罪のない様子が...
徳田秋声 「爛」
...舞踏をしたり罪のない賭事に興じたりしたことを...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...罪のないものです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...南玉が「又、明晩も、早々から」と、お叩頭をして「若旦那、あっしゃあ、奉行め、もし、若旦那を罪にしゃあがったら、高座で、奉行が袖の下を取って、罪のない者を、召捕ったと、御政道をめちゃめちゃにこき下ろしてやろうと――」「袖の下などと、何故判る?」「そりゃ、ちゃんと、上は天文から――」「下夜鷹の湯巻に至るまで」と、庄吉が、口を出した...
直木三十五 「南国太平記」
...七兵衛の野心などは罪のないもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...至って罪のない村正であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...罪のない幼児(おさなご)だからと漫然と思ったり...
羽仁もと子 「おさなご」
...罪のない人が殺される...
平出修 「逆徒」
...昨夕罪のない清さんを罪に堕(おと)さなかつたのは兼吉だ...
森鴎外 「そめちがへ」
...もちろん夢にあこがれるような罪のないものだったろう...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
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