...悲しく纏うてゐるのでなければならぬ...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...「一人の邪魔者の常に我身に附き纏うあり...
太宰治 「正義と微笑」
...その衣を我が身に纏うて...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...美しい五彩の簑を纏うた虫の心象(イメージ)だけは今も頭の中に呼び出す事が出来る...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...習慣の人心を纏(まと)うは綿衣の身を纏うよりもはなはだし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...実際上はどういう外貌をもった具体的表象をでも外被として纏うことが出来る...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...はそう簡単に対立させられないという点が吾々の話を初めからお終いまでつき纏うのである...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...人の身に纏うものは...
外村繁 「落日の光景」
...女の方でも必ずしも附纏う気はないのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...手早くそれを身に纏うた...
牧野信一 「父を売る子」
...洋装を纏うことを正しいといわなければならないでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...とりわけて身を責められました貴方様の御親切の程……それは私の肉体と心につき纏うております世にも恐ろしい...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...当藩の役柄の者に付き纏うところを...
夢野久作 「斬られたさに」
...早くも五月蠅(うるさ)く付き纏う暗殺者の眼を逃れつつ...
夢野久作 「暗黒公使」
...素肌に纏うた呉一郎が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...だがこの異様な地域の全てのものに変化を厭う隠秘な空気を纏う傾向があり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...淵の上にはこの数日見馴れて来た嶮崖が散り残りの紅葉を纏うて聳えて居る...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...それはぼろぼろとした緑青色の苔を纏うた何やらの樹の幹であるのだ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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