...興来って新古の壱巻をも繙(ひもと)けば...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...話せる男は少なき者に御座候呵々)二時間許り愛国詩人キヨルネルが事を繙読(ほんどく)して痛くも心を躍らせ申候...
石川啄木 「渋民村より」
...しかも科学の歴史を繙(ひもと)いて見ると...
石原純 「キュリー夫人」
...例へば任意の句集を繙いて櫻とか雁とかの題下に並んだ澤山の句を點檢してもすぐに分かることである...
寺田寅彦 「天文と俳句」
...一巻の絵巻物が出て来たのを繙(ひもと)いて見て行く...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...枕上随園詩話を繙いて眠る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...ハイツ』を繙(ひもと)く者には何れだけ強く深い人生の経験が...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...その方に興味のある方はこの藤原博士の『雲』を繙(ひもと)かれるのがよいであろう...
中谷宇吉郎 「雪」
...法律書の一ページをも繙(ひもと)いた事はありません...
浜尾四郎 「死者の権利」
...新しいものをおちおちと繙く折もなかつた...
牧野信一 「浪曼的月評」
...これらの事実について確かな由来の真相を捉まんとする人は咸豊七年(昭和十二年から八十年前)に支那で開版になったウィリアムソン氏口授の“植物学”(漢訳の植物学書)を繙(ひもと)くを要する...
牧野富太郎 「植物記」
...先生の『現代の心理学』という本は私の熱心に繙いたものの一つであり...
三木清 「読書遍歴」
...バルトの『ロマ書』とか『神の言葉と神学』などを繙くようになった...
三木清 「読書遍歴」
...手当り次第に雑誌でも繙(ひもと)くように其場かぎりな...
宮本百合子 「印象」
...またこすりたるために目にかゆみを感ずるやまず星占いの本を繙(ひもと)きてのち目薬を求む...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...繙(ひもと)いて見ると一行五字で悉(ことごと)く対句(ついく)である...
柳宗悦 「全羅紀行」
...折あらば靜に繙きたまへ...
吉川英治 「折々の記」
...もいちどその書を繙(ひもと)いてみると...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索