...古日記などを繙いて色々と故人の上を忍びながら...
石川啄木 「悲しき思出」
...西洋のものは当時の繙訳書(ほんやくしょ)以外には今いったリットンの『ユーゼニ・アラム』だけしか知らず...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...乃チ就テ二北※下ニ一試ニ繙而閲レバレ之...
京山人百樹、京水百鶴 「北越雪譜」
...然る後に「筑摩軍記」その他の正史を繙(ひもと)かれたら...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...力学物理学の教科書を繙(ひもと)いてみると極めて簡単な言葉で重力の方則や落体運動の方則が述べてある...
寺田寅彦 「方則について」
...享保の芸風を追慕して止(や)まざりし『隣(となり)の疝気(せんき)』または手柄岡持(てがらのおかもち)が壮時の見聞(けんぶん)を手記したる『後(あと)は昔物語(むかしものがたり)』等を繙(ひもと)きて年々の評判記と合せ読み...
永井荷風 「江戸芸術論」
...燈下バルザツクのイリユージヨンペリユデイを繙読す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...今まで繙(ひもと)いていた一巻の冊子をポケットの中に納めながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...日本書紀を繙(ひもと)いてもいないのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...美術史の一ページを繙(ひもと)いたほどのものは...
中里介山 「大菩薩峠」
...六冊も繙かれたことを知っている...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...時々なにか本でも繙(ひもと)く……といった生活ほど愉快なものは決してあるものでないと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...釣床に寝て書物を繙いたり...
牧野信一 「籔のほとり」
...これらの事実について確かな由来の真相を捉まんとする人は咸豊七年(昭和十二年から八十年前)に支那で開版になったウィリアムソン氏口授の“植物学”(漢訳の植物学書)を繙(ひもと)くを要する...
牧野富太郎 「植物記」
...ことにチェーホフの作品を愛読し『桜の園』のごときは幾度も繰り返して繙いたものである...
三木清 「読書遍歴」
...そして今一たび其巻(まき)を繙閲する...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...またこすりたるために目にかゆみを感ずるやまず星占いの本を繙(ひもと)きてのち目薬を求む...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...わたくしは尚二三書物を繙いてみたが...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
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