...僕たちの乗っているロケットが縹渺(ひょうびょう)たる大宇宙の中にぽつんと浮んでいる心細さに胸を衝(つ)かれた...
海野十三 「宇宙尖兵」
...町内きつての縹緻(きりやう)よしなので...
薄田泣菫 「茶話」
...すべての女は一日の半分を自分の縹緻をよくすることに費ふものだが...
薄田泣菫 「茶話」
...女髪結の娘でも縹緻(きりょう)がよければ一足飛びに奥さんにするとかいう風であったから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...もう少し縹渺(ひょうびょう)とした夢か...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...あれほどの縹緻(きりょう)を持ちながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...これ程の縹緻を持てば...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...即ち語の縹渺する特種の心像が...
萩原朔太郎 「青猫」
...縹渺(ひょうびょう)よるべなき郷愁の悲哀の中に...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...いま言ったような揃いもそろって縹緻のいい箱入娘が四人も家から抜け出している...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...鴨頭草(ツキグサ)の縹(ハナダ)深き瞳(マミ)――たびらこの空色の――小(チヒサ)き紋章――...
堀辰雄 「「古代感愛集」讀後」
...幽婉縹渺(ゆうえんひょうびょう)として底知れぬ観である――不図耳を澄ますと...
牧野信一 「ゼーロン」
...縹渺とまたうらうらと...
三好達治 「一點鐘」
...いねはお孝よりずっと縹緻(きりょう)よしだった...
山本周五郎 「寒橋」
...気はしもきくし縹緻も悪くない...
山本周五郎 「寒橋」
...縹緻(きりょう)も美(よ)い...
吉川英治 「大岡越前」
...その挙止は縹渺(ひょうびょう)...
吉川英治 「三国志」
...頗る縹渺(ひょうびょう)たる風格のなかに...
吉川英治 「新書太閤記」
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