...天さかる鄙(ひな)の大川の縹渺(へうべう)と目の前に浮び上がる所は如何にも静かに出来上がつてゐる...
芥川龍之介 「金春会の「隅田川」」
...評判の不緻縹(ふきりょう)もの...
江戸川乱歩 「接吻」
...縹緻(きりょう)もよくなって...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...お女中さんが縹緻(きりょう)がよくっていらっしゃるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...更に相模野を遠く雲煙縹渺(ひょうびょう)の間(かん)にながめる時には...
中里介山 「大菩薩峠」
...無限縹渺(むげんひょうびょう)の路に寄する恋――といったようなところに誘われます...
中里介山 「大菩薩峠」
...回向(えこう)をする――といったような縹渺たる旅情である...
中里介山 「「峠」という字」
...縹渺とした夢を見ることのできた人であろう...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...美い綺縹だなオイ兄え(年配の男に)己(おら)ア一足先き帰(けへ)るよ千鳥足で行つて了つたホ...
野口雨情 「都会と田園」
...ガラツ八が言ふほどの美い縹緻(きりやう)ではありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あれほどの縹緻(きりょう)を持ちながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二人に劣らぬ縹緻(きりょう)よし...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...居廻りに在る程のもの悉(ことごと)く薄烟(うすけぶり)に包れて虚有縹緲(きょうひょうびょう)の中(うち)に漂い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...中絶えばかごとや負ふと危ふさに縹(はなだ)の帯はとりてだに見ずと書いて源氏は持たせてやった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あれだけの縹緻(きりょう)だし肉付きもいいし...
山本周五郎 「追いついた夢」
...縹緻(きりょう)もよし芸も達者で...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...縹緻はそれほどでもないけれど...
山本周五郎 「ゆうれい貸屋」
...あのくらいの縹緻(きりょう)の美(い)い玉というものが...
吉川英治 「江戸三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??