...況や一縷の望を掛けて居るものならば...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...いまだに事の成行きがどう変化するか分らないと云う一縷(る)の望みを一寸先の未来に托しているのでもあった...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...その中には軍国多事のことが縷々(るる)として説(と)かれた...
田山花袋 「田舎教師」
...追想おのづから縷々(るる)として糸を繰るが如し...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...絶エザルコト縷(いと)ノ如シ...
中里介山 「大菩薩峠」
...若(も)し人生をとつて銖分縷析(しゆぶんるせき)するを得ば...
夏目漱石 「人生」
...そこに一縷(いちる)の望を抱(いだ)いた津田は...
夏目漱石 「明暗」
...多與里の訴へは縷々(るゝ)として續くのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...縷々(るる)自己の所信を述べ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...だが胸に一縷の望みを忍ばせて...
牧野信一 「明るく・暗く」
...」と胸に一縷の望を持つて...
牧野信一 「ランプの明滅」
...葉細クシテ糸縷ノ如ク...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...香煙縷々(るる)たる裡(うち)に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...文學的な縷身彫骨といふことばかりでなく...
吉川英治 「折々の記」
...縷々(るる)と今後の方策がしたためてあった...
吉川英治 「三国志」
...それよりは、なにとぞ、もいちど、殿の御威光をもちまして」「いや、まにあわん」「どうしてですか」「はや、事つぶさに認(したた)めた上訴の状を使いに持たせ、即刻、評議の座から、鎌倉表へ早馬を出した」「げっ、上訴の早馬を」義貞の宣告に似た言い方もだが、一縷の望みを、とっさに失って、彼女は暗い目まいのうちに、手足の先まで、冷たくなってゆくのを覚えた...
吉川英治 「私本太平記」
...一縷(いちる)の望みを七内らの理性につないで...
吉川英治 「新書太閤記」
...戴宗は縷々(るる)一同へ急を語る...
吉川英治 「新・水滸伝」
便利!手書き漢字入力検索