...葉子に取ってはこのいまわしい腐敗の中にも一縷(いちる)の期待が潜んでいた...
有島武郎 「或る女」
...まだ救いの来ることを一縷(いちる)の望みに...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...一縷の煙のたち昇るも寂しげなり...
大町桂月 「冬の榛名山」
...○縷綸(いとによる)糸に作るにも座を定め体(たい)を囲位(かたむ)る事績(うむ)におなじ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...心細くも立ち上る一縷の香煙に身を包ませて...
高山樗牛 「瀧口入道」
...理屈や数字で以て説明を縷々としてやる咄し方...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...自分の心に一縷(いちる)の望みがわきあがってくるのを覚えて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...おむら (おぬいと共に驚きながら一縷(いちる)の望みを得て喜ぶ)喜八 こいつは一石二鳥という手で...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...目撃せる事物の縷述を敢てせざるべし...
原勝郎 「貢院の春」
...ずん/\と裂きて紙縷(こより)をよるに...
樋口一葉 「たけくらべ」
...かの偉大なるルツソオも既に「エミール」の中で縷々と述べて居り...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...人間自製の人類滅亡兇器を永遠に封鎖する一縷の望みを...
正宗白鳥 「今日は無事」
...でも一縷(いちる)の望みをつなぎじっと待ちつづけている――彼は...
山川方夫 「待っている女」
...ぽっと射(さ)し露(あら)われて来た一縷(いちる)の光線に似たうす光が...
横光利一 「微笑」
...「どうじゃ金吾……わしは何か一縷(る)の曙光が見えて来たような気がするが」「拙者にも...
吉川英治 「江戸三国志」
...固く唇(くち)をとじ合ったまま今はただ一縷(いちる)の望(のぞ)みを...
吉川英治 「三国志」
...それよりは、なにとぞ、もいちど、殿の御威光をもちまして」「いや、まにあわん」「どうしてですか」「はや、事つぶさに認(したた)めた上訴の状を使いに持たせ、即刻、評議の座から、鎌倉表へ早馬を出した」「げっ、上訴の早馬を」義貞の宣告に似た言い方もだが、一縷の望みを、とっさに失って、彼女は暗い目まいのうちに、手足の先まで、冷たくなってゆくのを覚えた...
吉川英治 「私本太平記」
...戴宗は縷々(るる)一同へ急を語る...
吉川英治 「新・水滸伝」
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