...彼らはみんな髪の毛がうずを捲いていて、額にひくく垂れ下がり、髭は縮れ、眼がそれはそれは大きくて、その眼で射るように視(み)られると、何がどうということもなしに、相手の胸は乱れるのでした...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...ちょっと縮れて癖はあるが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...振り向いてみると髪の毛の縮れた五十婆さんで...
薄田泣菫 「茶話」
...その折髪の毛の縮れた妓(をんな)は四人(よつたり)あつた...
薄田泣菫 「茶話」
...例の縮れ毛の婦人の方を指しながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...憎悪の眸をその浅黒い額や縮れ髪(げ)に注ぎながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...この白い繊維は縮れ毛のように巻き縮んでいてなかなか思うようには延ばされない...
寺田寅彦 「からすうりの花と蛾」
...しかし紅葉が干からび縮れてやがて散ってしまうと...
寺田寅彦 「簔虫と蜘蛛」
...縮れた黒髪に縁取られた顔...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...髮は縮れてやゝ黒く...
長岡半太郎 「アインシュタイン博士のこと」
...その青年が長い縮れた髪をしてゐることと...
原民喜 「火の子供」
...おしのどんという縮れっ毛の女中が一人いるきりだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...あまり太くない明色の軽く縮れた口髭と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...彼がいま腕をあげて、かわいい、明色の、柔かく縮れた、細長いイギリス風の頭の下に、細い両掌をあてがったなり、そこに横になっているところは、なんだか小さいやせたアモオルのような観があった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...その葉はぐるぐるに縮れ葉の下にはもう美しい緑いろの大きな苞が赤い毛を吐いて真珠のやうな実もちらっと見えたのでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...娘のころチブスにかかって髪が生えかわってからチリチリの縮れっ毛になってしまった...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...白く縮れた長い蘭の浮き上った根の間から空を見上げていたり...
横光利一 「馬車」
...こっちの方では、縮れ毛の、たっぷり毛のついた羊が、丸い荷物の包みを空中に投げ上げたように跳び上がる...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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