...ちょっと縮れて癖はあるが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「停れ(ストップ)――」太い低音(バス)で叫んだのは、髪の縮れた、仁王のような安南人だ...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...樹々の南側の葉が焦げたように黒褐色(こくかっしょく)に縮れ上がって...
寺田寅彦 「柿の種」
...この白い繊維は縮れ毛のように捲き縮んでいてなかなか思うようには延ばされない...
寺田寅彦 「烏瓜の花と蛾」
...緬羊(めんよう)の毛のように縮れて...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...蓬髪の縮れが少し覗いている...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...厚く巻き縮れてい...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女の欠け縮れた醜い耳を探し求めた...
豊島与志雄 「道化役」
...髮は縮れてやゝ黒く...
長岡半太郎 「アインシュタイン博士のこと」
...シャクの最も熱心な聴手だった縮れっ毛の青年が...
中島敦 「狐憑」
...お釈迦様のそれのようにひどくねじれ縮れているのだ...
中島敦 「狼疾記」
...その青年が長い縮れた髪をしてゐることと...
原民喜 「火の子供」
...紺屋(こうや)のお絹さんといふ縮れつ毛の人も可愛(かあゆ)がつてくれたのだけれど...
樋口一葉 「わかれ道」
...一人は威儀正しくフロック・コートを着けた、顔の浅黒い、眼のギョロリとした、縮れ毛の、一眼で異国の人と知られる中年の紳士で、この不思議な出来事のためにすっかり動顛してしまったものと見え、片手に東京地図を握りながら、アッケラカンといつまでも鶴の口元を眺めているのである...
久生十蘭 「魔都」
...きらめく縮れ毛は皆その花にまじって埋められてしまうほどであった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...彼がいま腕をあげて、かわいい、明色の、柔かく縮れた、細長いイギリス風の頭の下に、細い両掌をあてがったなり、そこに横になっているところは、なんだか小さいやせたアモオルのような観があった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...お釈迦さんでもやっぱり縮れているじゃないか...
矢田津世子 「茶粥の記」
...栗いろの髪の縮れたずんぐりとした男だった...
山川方夫 「その一年」
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