...――おい」と、またお鳥を呼び、「加集との關係を白状しろ!」「‥‥」「返事しろ!」「‥‥」「どうしてもしないと云ふのなら、今一つ聽くが、ね、お前は一時おれに來るつもりか、または加集に行く氣か、どツちだ?」「‥‥」「顫へてゐるのは、自分のしたことを後悔してゐるのかい? それとも、おれを恐ろしいのかい?」「‥‥」「うそを云つてたから、返事が出來ないのだらう――面倒だから、今一度だけ聽くが、ね、これで永久にお前と會はないことになるかも知れないのだぞ!」かう云つて、義雄は言葉を切り、お鳥の前をわざと荒々しく通つて、原稿の包みを手に取りあげ、もとの座に來て立つたまま、「返事が出來ないなら、返事をしない方で聽くが、ね――加集がおれに代つて、お前をおもちやにしようとするのだが、その方がよければ返事をしないがいい!」返事が無いので、義雄は、自分のかの女に對するこれまでの待遇に對して、かの女からゆうべとけさとに全くしツぺい返しを喰はせられたものと見た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...今一つには誰が寝ていたか...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...それから今一つの難渋は洗湯(ゆ)の高い事で...
薄田泣菫 「茶話」
...やがて完成される今一つの道があるのを信じて疑はない...
薄田泣菫 「茶話」
...さらに今一つ注意すべきことは...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それに今一つ彼の木魚を叩きつゝあつた猫背の老尼の三藏を振返つた懶い目とであつた...
高濱虚子 「俳諧師」
...今一つ一つ鮮明にハッキリとした意味をもって頭の中によみがえってくるのを感じたのであった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...今一つ注意すべきことは...
夏目漱石 「文芸と道徳」
...今一つは棚の上に載せてある古風な鼠おとし(マウストラプ)で...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...その前年の秋にはこの中庭で今一つの恐るべき事件が起った...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...今一つあるのでございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...○自分の病気について今一つ他人の多くは誤解して居る事がある...
正岡子規 「病牀苦語」
...今一つ大きい差別(しゃべつ)がある...
森鴎外 「渋江抽斎」
...これと形勢を同じくする今一つの阿久津は...
柳田國男 「地名の研究」
...矢を串と称する今一つの証拠は...
柳田國男 「地名の研究」
...最後に今一つ、熊本県の人吉(ひとよし)附近で、菫をセセンブキブキというのも歌に依(よ)った名でした...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...それから今一つは前々年の経験...
柳田国男 「予が出版事業」
...なおここに今一つ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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