...袂(たもと)に長男を縋(すが)らせた儘...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...わたしはほとんど気違いのように法衣(ころも)の裾(すそ)へ縋(すが)りつきました...
芥川龍之介 「報恩記」
...溺(おぼ)るる者は藁(わら)にも縋(すが)るという...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...ただ美しい姫のなきがらに取り縋(すが)って...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...トドのつまりは夫の理解と義侠心(ぎきょうしん)とに縋(すが)るより外はないとして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...木の根に縋り付いて呼吸をきらして登つて行く女もある...
田山花袋 「歸國」
...」彼女に縋りついたまま...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...或るものに縋りついたのかも知れません...
豊島与志雄 「野ざらし」
...散歩の帰りに彼の袂に縋ることがあっても...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...或る者は筵をかかえて船縁へ縋(すが)りつく...
中里介山 「大菩薩峠」
...その友情に縋(すが)って頼みたい――とこう乳母の口から言われるのだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...縋(すが)り合いながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...正さーん」追い縋るお美津の手を振切って...
山本周五郎 「お美津簪」
...縋(すが)りつきたい気持を表白しているもののように大助には思えた...
山本周五郎 「新潮記」
...お民の手に縋りついたとき...
山本周五郎 「初蕾」
...慌ててお爺さんに追(お)い縋(すが)って――「お爺さん...
夢野久作 「白髪小僧」
...……その御仏の力をお借りなされたがよい、なんぞ、胸に思いあまることがあれば、縋(すが)って、申されたほうがよいのです」「お上人様……思いあまることというのは、信心をすれば、良人(うち)の心に逆らい、信心を離れては、今の私は、生きているそらもないのでございます...
吉川英治 「親鸞」
...これに縋(すが)れ)といわないばかりな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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