...縁先を固めて、歩きやすくした...
...磨き抜かれた指先から伸びた縁先に、気持ちが引き込まれた...
...彼女はいつも縁先を説明するのを忘れてしまう...
...テレビ画面に映し出された細かな縁先の作業に注目した...
...酔っ払って縁先で立ち話するのは止めた方がいい...
...僕の部屋の縁先(えんさき)に佇(たたず)みました...
芥川龍之介 「手紙」
...縁先の蒲団の上の日向を...
鈴木三重吉 「桑の実」
...縁先から釣り台に載せられて...
徳田秋声 「黴」
...入らつしやい!」彼の縁先きに並んだ娘達が...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...」彼女も縁先に腰掛けて...
豊島与志雄 「波多野邸」
...彼女は縁先へは出ず...
豊島与志雄 「波多野邸」
...日当りのよい縁先に水仙福寿草の蕾(つぼみ)のふくらむのを見ればおのずと杜甫が天時人事日相親...
永井荷風 「写況雑記」
...内(なか)には主人(あるじ)の宗匠(そうしやう)が万年青(おもと)の鉢(はち)を並(なら)べた縁先(えんさき)へ小机(こづくゑ)を据(す)ゑ頻(しきり)に天地人(てんちじん)の順序をつける俳諧(はいかい)の選(せん)に急(いそ)がしい処(ところ)であつた...
永井荷風 「すみだ川」
...百日紅の大木の蟠(わだかま)った其縁先に腰をかけると...
永井荷風 「百花園」
...以前の通り縁先へ忍び寄り...
中里介山 「大菩薩峠」
...この縁先へ台所仕事を持ち出してやっていることほど...
中里介山 「大菩薩峠」
...白洲(しらす)に臨める縁先の障子は締切られて...
穂積陳重 「法窓夜話」
...あの薄月の微かに差している縁先きで頭の君が帰りぎわに何かしきりに口ずさまれて入らしった姿が思い出された...
堀辰雄 「ほととぎす」
...ぷいと縁先から姿をかくしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...親分ッ……」「どうした!」帯を締めなおして、二人がバラバラと元の部屋へ駈けだしてみると、縁先から畳まで、吹ッこむ雨にビッショリ濡(ぬ)れ、今にも消えなんとする灯影(ほかげ)に照らされた多市の姿が、障子に縋(すが)っておろおろしていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「まず……」と蒲団を縁先へ出して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「あざやかでございますな」と、縁先から、岩間家の仲間(ちゅうげん)が――「居合のお稽古でございますか」「ばかをいえ」小次郎は、腹這(はらば)いに寝返って、畳の上に落ちている虫の体を、爪の先で、ぽんと縁先へ弾(はじ)き飛ばした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もう寝しずまった夜更けであったが、月の白い縁先に、お咲は、砧(きぬた)を打っていた...
吉川英治 「山浦清麿」
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