...いったん縁あって嫁いったものを...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...二十歳の年に縁あって薩摩の藩士...
上村松園 「税所敦子孝養図」
...縁あって宗三が貰(もら)い受たのだ...
江戸川乱歩 「接吻」
...共に縁あってこそ...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...他生の縁あってここに集(つど)い...
太宰治 「もの思う葦」
...縁あって、苔むした墓側を通り過ぎる者あらば想え! 世にはかくも幻妖なる人生を送って、狂わんばかりの憤りと嫉妬と愛と憎悪との相剋(そうこく)に堪(た)えやらずして、かくも奇怪至極なる殺人鬼となり果てし一人の敗残者、今は永遠(とこしえ)の休息を取ると……...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...お房と云う女中は縁あって或(あ)る大尉とかの妻になったと聞いた...
寺田寅彦 「やもり物語」
...縁あってこちらに来たものだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前は縁あってわたしの家に使われたとは言いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところが細君が承知をしないで、私は縁あって、この家(うち)へかたづいたものですから、たといあなたがおいやでも私はけっして出てまいりません」原口さんはそこでちょっと絵を離れて、画筆の結果をながめていたが、今度は、美禰子に向かって、「里見さん...
夏目漱石 「三四郎」
...以前縁あってわたくしと親分乾分の盃を交したもの...
久生十蘭 「魔都」
...甲斐の山梨郡はこの物に縁あっての名か...
南方熊楠 「十二支考」
...縁あって若い時から愛し合った二人の中には深い信頼があったものですよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あの孫堅さえ内縁あって...
吉川英治 「三国志」
...縁あって、衛道(えいどうかい)に嫁いだが、韃靼(だったん)に生虜(いけど)られ、胡(えびす)のために無理に妻とせられてしまった...
吉川英治 「三国志」
...御縁あってかく御厚遇をうけましたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...……後、縁あって、佐々どのの御家中へ、茶坊主の端となって住みこんでおりましたところ、はからずも、近頃の風聞、まことに、危ういこと哉(かな)と、蔭(かげ)ながら、御旧恩を想い出すにつけ、何とかして、お目にかかりたいと願っておりました」「ほ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――それが縁あって一時良人と侍(かしず)かれたそれがしが...
吉川英治 「夕顔の門」
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