...柄に合はぬ縮緬の大幅の兵子帶を...
石川啄木 「鳥影」
...学校では世話をする(蝦茶(えびちゃ)と緋縮緬(ひぢりめん)の交換だ...
泉鏡花 「婦系図」
...羽織は薄い小豆色の縮緬(ちりめん)に……ちょいと分りかねたが……五ツ紋...
泉鏡花 「婦系図」
...ここにあるこれが即ち遺書でございます」紫縮緬の袱紗に包んだ部厚な封筒を公正は高く捧げて一同に見せた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「魂の喘ぎ」
...葉っぱの縮緬皺にたまった露のかなしい重みを感じ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...紫縮緬(むらさきちりめん)の小さな包みを懐中(ふところ)にねぢ込むで置くのを忘れなかつた...
薄田泣菫 「茶話」
...『釈日本紀』に曰く、常陸国風土記曰、夫常陸国者、堺是広大、地亦緬、土壌沃墳、原野肥衍、墾発之処、山海之利、人々自得、家々足饒、設有二身労耕耘、力竭紡蚕者一、立可レ取レ富豊一、自然応レ免二貧窮一、況復求レ塩魚味一、左山右レ海植レ桑種レ麻、後レ野前レ原、所謂水陸之府蔵、物産之膏腴、古人云レ、常世之国一、蓋疑此地、今浦島説話とタンホイゼル説話とを比較するに、楽土の淹留と云う点に於て、楽土の神女が、淹留者に懸想して、彼を迎えしと云う点に於て、数年間留まりしと云う点に於て、及び後に至りて往事を回想して、故郷を懐うの情起りしと云う点に於て、両個の説話は全く一致す...
高木敏雄 「比較神話学」
...都合四枚一組の青海波(せいがいは)模様の縮緬(ちりめん)の蒲団(ふとん)なのでございました...
橘外男 「蒲団」
...この素晴らしい縮緬の蒲団が一組たった十八円五十銭! タダみたいな値段でございます...
橘外男 「蒲団」
...はなやかな縮緬(ちりめん)の襦袢(じゅばん)をつけた手古舞姿(てこまいすがた)の芸者でありましたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...かの鋭どい声の所有主は縮緬(ちりめん)の二枚重ねを畳へ擦(す)り付けながら這入(はい)って来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...まぎれもない上質の白縮緬で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...(ふき)の厚い三枚重ねに三つ大の紋のついた小浜縮緬の紫の羽織をゾベリときかけ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...キユッとたくしあげて上着をその中におし入れた上から太い縮緬のさんじやくを締めてゐた...
牧野信一 「鞭撻」
...派手な首ぬきの縮緬浴衣を着ていた...
正岡容 「圓朝花火」
...白縮緬のさがりを見せ...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...すこしじみ過ぎし七ツ下りの縞縮緬(しまちりめん)...
三宅花圃 「藪の鶯」
...丹前の上に縮緬(ちりめん)の兵児帯をだらりと締めて...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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