...むかしは人民を取締るのは政府だった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...それはいつだつたか、私がある湯の宿で、語る人もない夕方のしよざいなさに、谿河を隔てて向ひ側の山ふところに見える古寺の山門が、いつ締るかと、その扉の閉ざされるのを側目もふらずぢつと見まもつてゐた折の気持だつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...この順序が解っているから両会社も市中の乱売者を取り締ることが出来ない...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...こんな荒れ果てた山の墓所には珍しく立派な扉の締る音がギーと胸を刳(えぐ)って淋しく響いてきて...
橘外男 「逗子物語」
...彼方へお出で」老婆が出て往って襖の締る音がすると...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...是を取締るべき所の人達が是を知らぬと云ふに至ては如何なる事であるか...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...之が何者が勸めるかと云ふと之を取締る役人共が之を勸める...
田中正造 「土地兼併の罪惡」
...女の声が――その女を芳一は老女すなわち女のする用向きを取り締る女中頭だと判じた――芳一に向ってこう言いかけた――『ただ今...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...団体そのものとしては取り締る必要はないし...
戸坂潤 「社会時評」
...第一君は店の全部を取締る地位に在るではないか...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...それを取締る捕方(とりかた)は出て来るという評判だけで...
中里介山 「大菩薩峠」
...後では何でも平氣であつたが其時はそんな噺でも身體が引き締るやうに感じた...
長塚節 「開業醫」
...そっと明いた戸はそっと締る...
夏目漱石 「虞美人草」
...言論を取締るきびしい法律が...
蜷川新 「天皇」
...これを取締るべき役人が...
山本周五郎 「花も刀も」
...モーターボートの青いランプの群れが締るように馳け始めた...
横光利一 「上海」
...「そんなことを取締るのは君...
吉川英治 「三国志」
...締(しま)るところは締る女(ひと)なんだのにね」彼女は...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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