...赤銅の反応によって生じる緑青色の被膜は美しい色合いがある...
...岩緑青色のブラウスが似合う...
...今朝はどこを見ても美しい緑青色になつてゐる...
芥川龍之介 「軍艦金剛航海記」
...海は煮(にえ)切らない緑青色(ろくしょういろ)を...
芥川龍之介 「MENSURA ZOILI」
...その時緑青色のその切立(きった)ての巌(いわ)の...
泉鏡花 「悪獣篇」
...十月の高い空のもとに起伏する緑青色の松並木の山また丘である...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...窓掛けの薄紗を通して遠くに PANTHON の円屋根が緑青色に見える...
高村光太郎 「珈琲店より」
...背が緑青色をした腹の白い小さな蛇を浸(つ)けた酒の罎(びん)を持って来た...
田中貢太郎 「文妖伝」
...その背の緑青色をした白い小さな蛇は...
田中貢太郎 「文妖伝」
...蒼白(あおじろ)い鬼魅(きみ)悪い肉体の感じは緑青色の蛇の腹の感じといっしょになった...
田中貢太郎 「文妖伝」
...緑青色の屋根を重ねた重厚な感じのその高塔に眼を据えて...
豊島与志雄 「白蛾」
...眼のさめるような緑青色の岩蕗や羊歯が繁っている...
久生十蘭 「肌色の月」
...赤松林の向うに緑青色(ろくしょういろ)の唐瓦(とうが)を置いた棟の反(そ)った支那風の建物が見えて来た...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...廃兵院(アンブアリード)の緑青色の円屋根の上に洩れ陽がさしかけ...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...また一方の壁には(わたしが選んだものではなかつた)ロビンソン・クルウソウがフライデーを相手に丸木舟を建造してゐるところの石版画が二十号大の緑青色の額ぶちに収まつてぶらさがつてゐた...
牧野信一 「幽霊の出る宮殿」
...遥かの緑青色に映えた足柄連山の背後にひと塊りの真白な積乱雲が凝つて停滞してゐた...
牧野信一 「夜見の巻」
...赤煉瓦の塔の緑青色の円屋根が重要なアクセントをなしているのがわかって来るだろう...
「朝の風」
...丁度例の緑青色の円屋根のついた赤煉瓦の塔の下へ出た...
「朝の風」
...棕櫚の葉に似たタロカイヤの強い緑青色を見上げている平尾男爵は...
横光利一 「旅愁」
...それはぼろぼろとした緑青色の苔を纏うた何やらの樹の幹であるのだ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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