...もう総てがよく解つてゐましたので...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...右等の事総て俗人に言うなかれ...
高浜虚子 「子規居士と余」
...此処等(ここら)で出来る瓦や木材や米や麦や――それ等は総て此川を上下する便船(びんせん)で都に運び出されることになつて居た...
田山花袋 「朝」
...総ての者に向って自由競争を与うるにあり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...大衆の総てが何か平面的に平均され得ると考えている機械的な又原子論的なブルジョア・デモクラシーの外から来たものではない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...処がかかる純粋形式に於て「現象の多様の総てが或る一定の関係に直観される」のである...
戸坂潤 「物理的空間の成立まで」
...しかし直ぐ激しい感覚が私に総てを失わせてしまう...
外村繁 「澪標」
...僅に三津浜と総ての島方を占領したまでである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...総てを忘れてしまっていた...
直木三十五 「南国太平記」
...第二には総てに親切なこと――珍しい稼ぎ人が来たものだという評判が...
中里介山 「大菩薩峠」
...天台は固(もと)よりのこと他宗の総てに亙(わた)って一代の宗となる程の学力を有していた...
中里介山 「法然行伝」
...パリのほぼ総ての家屋に卑しい性格を与えているあの黄色い色を施していた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...同じ純粋さと総ての人間的感情によって結ばれているのを見ると...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...『私は沈黙して総てを心に秘めている...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...彼の行為においては総て彼女の利益が優先されることとなってしまった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...けれ共総ては無駄で有った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...このようなこと総ては...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつかは咲くだらうああ 総ての人間に涙あれ合掌その一坂はびろうど夕日炎炎坂はみどりの下り坂...
室生犀星 「抒情小曲集」
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