...俺の文章は闇にゐるといふ意識によつて緊張してゐるのみである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...そんな前車の轍(てつ)をふまないように注意しなくてはいけないと思って緊張しているのです...
上村松園 「謡曲仕舞など」
...鐘が鳴ると彼等は急に緊張して美くしい笑ひや喜びや好奇心に滿ちた快活さを一人々々...
千家元麿 「自分は見た」
...あんまり緊張して...
太宰治 「一歩前進二歩退却」
...それよりも隣組長の重い責任に緊張して居られるのにちがいない...
太宰治 「十二月八日」
...女房は可憐(かれん)に緊張して勝手元へ行き...
太宰治 「新釈諸国噺」
...健は恐ろしいほど緊張して茶碗を下に置いた...
壺井栄 「大根の葉」
...それまでひどく緊張してきつい表情をしていた彼の顔が急に柔らかになってくる...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...この試練時代の記念として緊張して働く習慣と...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...その明るみが力一杯に緊張している...
豊島与志雄 「蠱惑」
...じっと寝かされている彼の神経はじっとしているのが苦になるほど緊張して来た...
夏目漱石 「明暗」
...事情は息づまるほど緊張して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あさひはだんだん不安になり、神経が緊張して、これ以上耐えられそうもなくなると、あゝ、いま死ぬんだわ...
久生十蘭 「虹の橋」
...極度に緊張して夫々の位置から位置へ移動することを繰り返した...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...緊張していて、ゆれていて、それでいてあるゆとり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...また始終緊張してもろもろの雑務を整理してゆくこともできないから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...生徒は真青(まっさお)に緊張してそれを聴く...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...夜来の情勢に緊張して...
吉川英治 「源頼朝」
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