...綾羅(りょうら)の袖の八口(やつくち)と...
泉鏡花 「活人形」
...綾羅の袂も曳かばなどか絶えざらん)と歌って...
上村松園 「軽女」
...其肆頭の書籍は世間の虚栄を増長せしむる錦繍綾羅(りょうら)と違って...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...人間の美くしい天真はお化粧をして綾羅(りょうら)に包まれてる高等社会には決して現われないで...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...これに反して錦繍綾羅(きんしゅうりょうら)を纏(まと)うて煎茶(せんちゃ)弾琴(だんきん)を事とし...
大隈重信 「国民教育の複本位」
...まとへる綾羅(うすもの)色(いろ)をわかみ...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...綾羅(りようら)の袂ゆたかに飜(ひるがへ)るは花に休める女蝶(めてふ)の翼か...
高山樗牛 「瀧口入道」
...純白女神のごとき白絹の綾羅(うすもの)を装うていた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...蒼穹のように澄み切った眸(ひとみ)! 雪白の綾羅(うすもの)の裳裾(もすそ)長く地に曳きながら...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「この淡紅色(たんこうしょく)の薄さはあたかも綾羅(りょうら)を透(すか)して見たる色の如く全く言葉もていひ現し能(あた)はざるほどあるかなきかの薄さを示したり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...綾羅の裳裾を翻えして踊り戯れていた美人たちであったが...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...里紗絹(リヨンぎぬ)の襦袢(じゅばん)に綾羅紗(あやらしゃ)の羽織...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...項羽のさしもに美しかつた綾羅も...
牧野信一 「悲しき項羽」
...支配階級の錦繍綾羅にふれるより...
山本実彦 「十五年」
...綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)の裡(うち)に侍(かし)ずかるる貴婦人がお里を怪しまるるそもそもの理由も...
夢野久作 「鼻の表現」
...おびただしい金襴(きんらん)や綾羅(りょうら)が縫(ぬ)われた...
吉川英治 「三国志」
...庫中の金銀や満城の綾羅珍什(りょうらちんじゅう)の処分をしていただけではなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...王昭君(おうしょうくん)の遠きへ行く日にも似るかなしき綾羅錦繍(りょうらきんしゅう)につつまれて...
吉川英治 「新書太閤記」
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