...浮線綾の縁(ふち)をとつた青い簾が...
芥川龍之介 「地獄變」
...白の振袖、綾(あや)の帯、紅(くれない)の長襦袢(ながじゅばん)、胸に水晶の数珠(じゅず)をかけ、襟に両袖を占めて、波の上に、雪のごとき竜馬(りゅうめ)に乗せらる...
泉鏡花 「海神別荘」
...いと冷(ひ)やき綾(あや)は亂れて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...私の気持お分りになりますでしょう?』綾子さんは段々興奮して声が大きくなるので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...二重にも三重にも綾のある心理が徒らに複雑に思われ冷やかにさえ感じられるのに漸く不安と恐怖の念を抱くようになって...
辰野隆 「感傷主義」
...しろたえのおんはだえにしらあや(白綾)のおん小袖をめされ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...縞(しま)の単衣(ひとえ)に古びた透綾(すきや)の夏羽織を着て...
田山花袋 「田舎教師」
...」と綾子は云った...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...既に刀の下緒は襷に綾(あや)どられ...
中里介山 「大菩薩峠」
...綾麿の眼は夢みる人のように閉じられます...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...金箔を置いたの、素木(しろき)の黒ずんだの、五彩眼も綾なる、如来、地蔵、羅漢、あらゆる限りの大小種々の仏体が、惨ましくも腕を折られ、蓮座を割られ、砕かれ、削られて、上げ汐に打ち寄せられたように、混然雑然として散乱して居ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...綾吉の長屋のツイ三四間先は番太の小屋で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...綾吉の恐ろしい形相に眉を顰(ひそ)めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...水色の透綾(すきや)...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...綾子は辛うじて涙のこぼれさうになつたのを圧へた...
牧野信一 「秋雨の絶間」
...」綾子は、光子の袖の中に隠れた...
牧野信一 「眠い一日」
...再び縁側の木目の上を綾を描いて逸走してゐる絲のやうな霧の中に吹き返した...
横光利一 「榛名」
...そこへ綾部市から市の教育長で史談会の村上佑二氏が駆けつけて来...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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