...憐憫(れんびん)と侮蔑とが互ひ違ひに嫌惡の繩を綯(な)つて行く...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...盗賊(ぬすびと)を見て縄を綯(な)ふやうなもんだ...
内田魯庵 「青年実業家」
...破れた菰(こも)をほどいて銭差(ぜにさし)を綯(な)えば...
太宰治 「新釈諸国噺」
...一人の老人が庭前(にわさき)の蓆(むしろ)の上で縄を綯(な)うていた...
田中貢太郎 「怪人の眼」
...隨分泥棒を捕(つか)まへて繩を綯(な)ふと云ふやうな話であるが...
塚原蓼洲 「兵馬倥偬の人」
...亡くなる前日まで縄(なわ)を綯(な)うたりせっせと働いて居ました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...鈴のついた紅白の布の太い綯綱...
豊島与志雄 「オランウータン」
...ほぐれた絹糸は、綯りの力で、縮れてぼけて、ふうわりと、綿のように……...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...一本の大きなものに綯り合わされることがなかった...
豊島与志雄 「自由人」
...綯総(ないふさ)で飾った重々しい軍帽...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...椰子縄綯(な)いに...
中島敦 「南島譚」
...お品(しな)は何時(いつ)でも日(ひ)のあるうちに夜(よ)なべに繩(なは)に綯(な)ふ藁(わら)へ水(みず)を掛(か)けて置(お)いたり...
長塚節 「土」
...あらゆる乱雑な音響を綯(な)い固めた...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...太き糸の音(ね)と細き音を綯(よ)り合せて...
夏目漱石 「虞美人草」
...烈しいものを綯い混ぜに針がすすんで...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...――海岸の捩ぢ綯れた樹木の枝を...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...紫に白を綯(な)い合わせた手綱を掻把(かいと)り...
吉川英治 「新書太閤記」
...ペンギンのギャーギャー声と綯い交ぜになって谺を返した...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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