...自分一個の嗜好から云へば眞面目と巫山戲との中が割れて兩者が綯ひ交られて行く處に妙に遣瀬ない情調を喚起する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...」検事長閣下が絞首索を綯(な)い...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...亡くなる前日まで縄(なわ)を綯(な)うたりせっせと働いて居ました...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...綯総(ないふさ)で飾った重々しい軍帽...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...市民服の上にゆらめいている綯総(よりふさ)の二つの大きな肩章...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「縄をお綯いなさるなら...
中里介山 「大菩薩峠」
...少(すこ)し懷(ふところ)が窮屈(きうくつ)でなくなつてからは長(なが)い夜(よ)の休憇時間(きうけいじかん)には滅多(めつた)に繩(なは)を綯(な)ふこともなく風呂(ふろ)に行(い)つては能(よ)く噺(はなし)をしながら出殼(でがら)の茶(ちや)を啜(すゝ)つた...
長塚節 「土」
...綯(な)いまざり...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...楽みと苦みの綯(ないまじ)りたる縄を断たんともせず...
夏目漱石 「薤露行」
...緑りを細く綯(よ)り込んだ宇治(うじ)の葉が...
夏目漱石 「虞美人草」
...絆を綯(な)った人でさえ確(しか)とその端(はし)を握っている気ではなかったのだろう...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...この縄綯ひリレーだけは...
葉山嘉樹 「運動会の風景」
...「五月の挨拶は」というような愉悦と哀愁の綯(な)え合わされたソネットをかくのだから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...うそとまことの綯(な)い合わせ式のところをその小説はかいているのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ある日席上で綯が一の故事を問うた...
森鴎外 「魚玄機」
...吭(のど)からと絃(いと)からと出る声と声とが綯交(ないまぜ)になると来ている...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...『――世は綯(あざな)える縄(なわ)のごとし……と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...ペンギンのギャーギャー声と綯い交ぜになって谺を返した...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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