...――昨夜(ゆうべ)、宵のしとしと雨が、初夜過ぎに一度どっと大降りになって、それが留(や)むと、陽気もぽっと、近頃での春らしかったが、夜半(よなか)に寂然(しん)と何の音もなくなると、うっすりと月が朧(おぼろ)に映すように、大路、小路、露地や、背戸や、竹垣、生垣、妻戸、折戸に、密(そっ)と、人目を忍んで寄添う風情に、都振(みやこぶり)なる雪女郎の姿が、寒くば絹綿を、と柳に囁(ささや)き、冷い梅の莟(つぼみ)はもとより、行倒れた片輪車、掃溜(はきだめ)の破筵(やれむしろ)までも、肌すく白い袖で抱いたのである...
泉鏡花 「薄紅梅」
...また人絹綿糸などで日本が英米を圧する勢いにあるのを見ても...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...始めは絹綿であったが後には木綿となった...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...山繭の屑糸からとれた丈夫な絹綿だと云い...
矢田津世子 「鴻ノ巣女房」
...時として絹綿併用せられ...
柳宗悦 「工藝の道」
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