...絶望的な努力か自我獨存の悲痛(又は寂寥又は自恣又は斷念)かに在るのかも知れないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...重くよどんだ絶望的な悲哀にただわけもなくどこまでも引っぱられて行った...
有島武郎 「或る女」
...強権の存在に対してもまたまったく没交渉なのである――それだけ絶望的なのである...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...絶望的な細君に対する不安や憐愍(れんびん)の情も...
徳田秋声 「爛」
...もはや単に行為上の絶望的な大胆さを持ってるのみではなく...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...恐ろしいものから更に絶望的なものとなろうとしていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...スティヴンが最後の絶望的な警告を発してからは幾世紀もの時間が経ったように思われたと言いましたが...
西尾正 「墓場」
...春日家御先祖の御手柄に免じて格別の御沙汰と承はる」老用人は絶望的な眉を垂れるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ひどく絶望的な惱みをもつてゐた...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...南北戦争の結果の一つであるアメリカ商船業の絶望的な後退は...
服部之総 「黒田清隆の方針」
...私は妙に絶望的な気持にされる...
原民喜 「童話」
...そこで官房長殿の最近の手紙を絶望的な恥らいの気持で読んだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...それも空しく私は今頃は絶望的な状態になっていたはずです...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...殆んど絶望的な表情をうかべて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...絶望的な実生活が与へることのできないイリユージヨンを楽しみたいといふ慾望によつて鼓吹される...
平林初之輔 「商品としての近代小説」
...ひどく絶望的な詩であることを知つて...
堀辰雄 「旅の繪」
...そしてかうした彼に對する絶望的な戀のなかにも...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...彼は絶望的な声を挙げて妾を突きとばしたのです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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