...偶(たま)に絖なり...
薄田泣菫 「茶話」
...偶(たま)に見ず知らずの人から小包で送つて来る絖やら画箋紙やらは...
薄田泣菫 「茶話」
...紙とも付かねば皮とも付かぬ絖(ぬめ)のようにピカピカとして...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...彼の絵筆の下に絖地(ぬめじ)となって擴げられた...
谷崎潤一郎 「刺青」
...そうしてその短冊やら絖(ぬめ)やらをまだ承諾もしないうちに送って来る...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...朝鮮の宴会で絖(ぬめ)を持出された事まで云わなくてはならないから...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...羽二重や、絖(ぬめ)や、芦手(あしで)模様や匹田鹿(ひったが)の子(こ)の手ざわりではなく、ゴリゴリする浜ちりめん、透綾(すきや)、または浴衣(ゆかた)の感触となった...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...水に晒したような絖(ぬめ)のたつ白い皮膚は...
久生十蘭 「蝶の絵」
...ふっくらとした絖(ぬめ)のような白い肩が……...
久生十蘭 「魔都」
...枠張の絖(ぬめ)に向い一心に仕上げの筆を運んでいるところだったのです...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...枠張の絖を置きなおしながら...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...これがほんとうの自分であろうか!呉羽之介は絖(ぬめ)の上に生々と描かれた...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...金さえだせばと唐紙だ絖(ぬめ)だと欲張った連中...
山本笑月 「明治世相百話」
...」さう云つてやつぱり絖を持つて私の前に来たのは...
吉井勇 「酔狂録」
...絖(ぬめ)の襟元(えりもと)をちらと見たに過ぎなかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...絖(ぬめ)や錦(にしき)や綾にくるまれた棘(とげ)である...
吉川英治 「親鸞」
...白絖(しろぬめ)のかいどりにくるまれたまま...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...やわらかい絖(ぬめ)と長襦袢(ながじゅばん)の中に埋まっている...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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