...おいそれと気持よく絖(ぬめ)なり...
薄田泣菫 「茶話」
...小包の絖で汚れた手先を拭きかねないのはこの人達である...
薄田泣菫 「茶話」
...彼の絵筆の下に絖地(ぬめじ)となって擴げられた...
谷崎潤一郎 「刺青」
...そうしてその短冊やら絖(ぬめ)やらをまだ承諾もしないうちに送って来る...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...朝鮮の宴会で絖(ぬめ)を持出された事まで云わなくてはならないから...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...絖(ぬめ)のような白い薄膚の下から血の色が薄桃色に透けて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...絖(ぬめ)のように白く光る胸...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...枠張の絖(ぬめ)に向い一心に仕上げの筆を運んでいるところだったのです...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...それなる絖(ぬめ)は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...これがほんとうの自分であろうか!呉羽之介は絖(ぬめ)の上に生々と描かれた...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...金さえだせばと唐紙だ絖(ぬめ)だと欲張った連中...
山本笑月 「明治世相百話」
...黒絖龍文(くろぬめりゅうもん)の小袖に襷(たすき)を綾なし...
吉川英治 「剣難女難」
...それだけならよいが、白絖には、血らしいものがにじんでいる...
吉川英治 「三国志」
...血で書いた白絖(しろぎぬ)の文のうちに「朕」という文字がふと眼にうつった...
吉川英治 「三国志」
...白地絖(しろじぬめ)に葦手(あしで)模様を小紫濃(こむらご)のなかに散らした小袖...
吉川英治 「私本太平記」
...絖(ぬめ)やかな凝脂(ぎょうし)は常にねっとりとその白い肌目(きめ)からも毛穴からも男をそそる美味のような女香(にょこう)をたえず発散する...
吉川英治 「新・水滸伝」
...白絖(しろぬめ)のかいどりにくるまれたまま...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...やわらかい絖(ぬめ)と長襦袢(ながじゅばん)の中に埋まっている...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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