...サン・ミゲルは、結局のところ、断崖だらけで上陸の不可能な島であることを思い知らせてくれた...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...結局のところは二人の決心次第だと思うわ」「向うの親や兄弟はなんにも知っていないのかしらん」「うすうすは知っているらしいの」「どう云う程度に?」「まあ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「結局のところ……」とワルトハウスはにわかに心丈夫になって言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あたしよりもあの女の方を愛していらっしゃるんですね、あたしに使う金は惜しくて御自分の酒に使う金は惜しくないんですね、風向きの悪い話になると黙りこんでそっぽ向いてしまいなさるんですね、痛いところを突っ突かれると怒鳴りつけて虚勢を張りなさるんですね……何とかかんとか、結局のところ、僕は一片の愛情もないエゴイストで卑怯者で我利々々亡者だということになる...
豊島与志雄 「狸石」
...結局のところ、こう考えるのは、自分の下宿をきれいにしておきたいと思う家主の誰でもの気持にちがいありません...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...お役所だって結局のところ面倒見切れないのよ」と彼女は言うのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...でも結局のところ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...結局のところブレディフ氏はなにひとつ仲間の非人道的な行為を自覚していないなどというのがその例である...
久生十蘭 「海難記」
...タンプルから脱出したというのは結局のところ虚妄の説で...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...「結局のところ、なにもしてはならぬということなんだろう」後任代表の渡日は、イランまで飛行機で飛び、シベリヤ、満州を経由するということで、渋々、当局も認めたが、そのごたごたで、代表がいっしょに持ってくるはずだった、クリスマス用の救恤品(きゅうじゅつひん)が先に着いた...
久生十蘭 「ノア」
...今般の一条につきては、太田氏をはじめ社中集会してその内話に、「かの文部省にて定めたる私塾教師の規則もいわゆる御大法なれば、ただ文学・科学の文字を消して語学の二字に改むれば、願いも済み、生徒のためには大幸ならん」と再三商議したれども、結局のところ、このたびの教師を得ずして社中生徒の学業あるいは退歩することあるも、官を欺くは士君子の恥ずべきところなれば、謹んで法を守り国民たるの分を誤らざるの方、上策なるべしとて、ついにこの始末に及びしことなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...結局のところ、前夜の出来事は究極の賭けだった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...結局のところは実力に訴えねば解決しそうになかった...
本庄陸男 「石狩川」
...「そこで概数のお知らせをあなたのもとまで飛ばせましたが」「それで結局のところ?」「四十四戸の百八十二名――」「四十四戸――」と...
本庄陸男 「石狩川」
...結局のところ相手が自分に協力してくれるその心にだけ立って自分の協力も発揮させられてゆくという受身な関係では...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...そこで結局のところは...
柳田國男 「地名の研究」
...女は結局のところ弱いもんだと云うことなんだよ...
山本周五郎 「風流太平記」
...「結局のところ、そうするよりしかたがなかったんだろう、われわれが祝ってやった日からつい二三日して、上げ潮どきに裏の三十間堀へ、身を投げたんだそうだ」こう云って、重兵衛は大きな欠伸(あくび)をした...
山本周五郎 「山彦乙女」
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