...僕は結句気儘に釣ツてたです...
石井研堂 「元日の釣」
...結句氣樂な女(をなご)せえ喃...
石川啄木 「赤痢」
...間狭(ませま)な内には結句さっぱりして可(よ)さそうなが...
泉鏡花 「婦系図」
...その新妻が多く情事を解しない歳頃であるのを結句仕合わせとしたのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...結句の「此れぞ田舎の信心なる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...わたしは結句ありがたいくらいだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...一層この場で酔いつぶれてさえしまえば周囲の者が結句どうにか始末をつけてくれるだろうと...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...然しこの機縁から大島氏の好意と親切が長く吾々の身体を温めてくれる記念と思えば結句有難い思い出になる...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...順々に繰り下げて行つて結句で十分に力の這入るやうにするのだ...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...そのままの方が御話がしやすくて結句(けっく)私の都合になります...
夏目漱石 「虞美人草」
...行(ゆ)き処(どころ)なき身なれば結句よき死場処と人目を耻ぢぬやうに成りけり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...チューブには吹雪の起つたのが結句うれしかつたのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...法師らが髯(ひげ)の剃り杭に馬つなぎいたくな引きそ「法師なからかむ」 (万葉十六)といふ歌の結句に力あるを見よ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...そはとにかくに前の歌の結句といひこの歌の結句といひ思ひきりて佶屈(きっくつ)に詠まるる処を見れば作者も若返りていはゆる新派の若手と共に走りツこをもやらるる覚悟と見えて勇ましとも勇ましき事なり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...雪之丞、じっとみつめて、立木の蔭でつぶやいたが、――あれ、また、まつわる捕手――いっそ、一思いに、匕首で、斬っぱらってしまったら、よさそうなものなのに――雪之丞が、間遠(まどお)に見て、歯を噛んでいるうちに、又もや、斬り抜けた闇太郎、結句(けっく)、またも、多勢にかこまれて、身じろぎに、不自由を覚えて来た容子(ようす)――――相手は多い! 早う、親分お逃れになって――が、見る見る、ひしひしと取り巻いて来る同心、捕方――――なぜ、いつまでも、抜かないのだろう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...中川家の客席は人少くして淋しけれども広海子爵は結句他人を交えぬがよしと心窃(ひそ)かに悦ぶ所あり...
村井弦斎 「食道楽」
...結句めいめいの迷いを散じ蒙(もう)を啓(ひら)くために...
柳田国男 「年中行事覚書」
...結句(けっく)、あのほうが人間は気安いなあ』かえって彼等は、数右衛門を羨しく思って寝た...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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