...二人連に追付くには結句都合が可いので...
石川啄木 「散文詩」
...結句それが、靜子にとつては都合がよかつた...
石川啄木 「鳥影」
...間狭(ませま)な内には結句さっぱりして可(よ)さそうなが...
泉鏡花 「婦系図」
...その新妻が多く情事を解しない歳頃であるのを結句仕合わせとしたのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...結句その方があの男にも好都合だろうじゃないか」とサモイレンコは言った...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...全編の結句になるべき一行をさえ思いついた...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...わたしは結句ありがたいくらいだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...一層この場で酔いつぶれてさえしまえば周囲の者が結句どうにか始末をつけてくれるだろうと...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...それに……身を落すなら稼(かせ)ぎいい方が結句(けっく)徳だもの...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...「親方、こうなってみると、俺は一刻も早くお豊をつれて里へ出たい」「ばかなことを言うな、いま連れ出せば罠(わな)の中へ首を突っ込むようなものだ、七日辛抱(しんぼう)しろ、そうすれば、やすやすと抜けられる」「七日は永いなあ」「ナニ、永いことがあるものか、手鍋さげても奥山ずまいという本文通りよ、結句(けっく)、山ん中が面白(おもしろ)可笑(おかし)くていいじゃねえか」鍛冶倉の笑いぶりは人間並みの笑いぶりではない、生塚(しょうづか)の婆様を男にして擽(くすぐ)ってみたような笑い方をする...
中里介山 「大菩薩峠」
...結句これをいい都合に心得て...
中里介山 「大菩薩峠」
...結句(けっく)身体(からだ)の薬だぐらいの事をいっていた...
夏目漱石 「こころ」
...結句(けつく)おだてに乘(の)る質(たち)なれば...
一葉女史 「大つごもり」
...行(ゆ)き処(どころ)なき身なれば結句よき死場処と人目を耻ぢぬやうに成りけり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...この方が罪滅しになって結句いいかも知れん...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...かたがたもって「ほほづきの色」という結句を弱からしむ...
正岡子規 「曙覧の歌」
...「結句お上に食はして貰つたゞけ得をした...
正宗白鳥 「避病院」
...結句(けっく)、あのほうが人間は気安いなあ』かえって彼等は、数右衛門を羨しく思って寝た...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
便利!手書き漢字入力検索