...僕は結句気儘に釣ツてたです...
石井研堂 「元日の釣」
...結句(つまり)は親子三匹して...
巌谷小波 「こがね丸」
...一生の述作皆人間終極の幸福を予言する点に於(おい)て一致し「アソランドオ」絶筆の結句に至るまで...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...結句(けっく)奴さんは仕合わせさ...
谷崎潤一郎 「幇間」
...足纏いがなくなって結句気楽じゃありませんか...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...「結句、ほんの可愛らしい子供にすぎませんでした! みんなあの別莊友だちが惡いんです!――今日の貴方に對するあの馬鹿げた振舞いだけは、ひとつ許して頂きたいものです、ねえアレクセイ・イヴァーノヴィチ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...わたしは結句ありがたいくらいだ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...詠むべき目的物は結句にいふといふのが先づ原則である...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...行(ゆ)き処(どころ)なき身なれば結句よき死場処と人目を耻ぢぬやうに成りけり...
樋口一葉 「たけくらべ」
...結句ない方がましかも知らねど...
二葉亭四迷 「小説総論」
...これ全体の趣向の上より結句に対する非難なりき...
正岡子規 「墨汁一滴」
...女子は婆さんになるまで生きておらん方が結句仕合せなように思われる...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...あたかも皇族華冑の遺跡が分からぬうちに乱滅するは結句厄介払いというように相聞こえ...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...結句めいめいの迷いを散じ蒙(もう)を啓(ひら)くために...
柳田国男 「年中行事覚書」
...その儀はふッつり断念仕り候結句...
吉川英治 「剣難女難」
...――結句(けっく)...
吉川英治 「新書太閤記」
...客に見せて、金を惜しんだように思われぬようにな』棟梁は、こういう見栄坊な普請主(ふしんぬし)が、結句、お花客(とくい)にはなるので、云われる通りに、すぐ材木屋の手代をよんで板を返した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...日が経てば経つほど、人の心も、境遇につれて変るのはやむを得ぬ』『では――復讐は沙汰止みか』『相変らず、議論は区々(まちまち)だが、先頃、円山の老人連も集まって、とどのつまりが、事変の当時なら気も揃(そろ)うたし、天下の耳目も吾々に期待していたろうが、今更、熱のさめたところで、あだ討でもあるまいと――まあ二の足を踏むのが多くて、結句(けっく)、連判の盟約を解こうと極まったわけだ』『それで返しに来られたのか』『まだこれから、十数名の家を歩かなければならん...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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