...われわれが絃に触れ音栓をうごかすごとに...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...絵合せ、御酒宴に打ち興ぜられると共に、このやうな厳たる御決裁もなさいますし、また、御自身は風流をお好みなされても、それを御家臣にやたらにお強ひなさつて、和歌を作る者だけを特に御寵愛なされ、さうして和歌も出来ず絵合せも不調法といふ根つからの武骨者をうとんじなされたかといふと、全くそのやうな依怙の御沙汰はなさらず、たとへば和田左衛門尉義盛さま、このお方こそ鎌倉一の大武骨者、和歌は閉口、絵合せはまつぴら、管絃はうんざり、ほととぎすの声も浮かぬお顔で聞いて、ただ侍所別当のお役目お大事、忠義一徹の御老人でございましたが、将軍家にはこの野暮の和田さまが大の御贔屓で、御父君右大将さま御挙兵以来の至誠の御勇士いまに生き残れる者わづかに義盛、朝光と数へて五指にも足らぬ有様、殊にも元久二年、将軍家御年十四歳の折に、誠忠廉直の畠山父子が時政公の奸策により、むじつの罪にて悲壮の最期をとげられて以来、いよいよこのやうな残存の御老臣を御大切になされ、大野暮の和田さまをもいろいろとおいたはりになつて、この和田左衛門尉さまの居られる前では、和歌のお話などあまりなさらず、もつぱら故右大将家幕府御創設までの御苦心、または義盛さま十数度の合戦の模様など熱心にあれこれとお尋ねになり、左衛門尉さまも白髪のお頭を振つて訥々と当時の有様を言上し、天晴れ御宿老たるのお面目をほどこして御退出なさるのが常のことでございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...こんな不潔な絃歌(げんか)の巷(ちまた)で...
徳田秋声 「縮図」
...管絃楽長になってしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...片上天絃氏の所へも...
直木三十五 「貧乏一期、二期、三期」
...三絃弾(ひ)きゐる芸者と打語(うちかた)れり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...二絃琴がどんなものか...
長谷川時雨 「神田附木店」
...一本一本絃(いと)の音をよく聴かせようとする...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...彼は絃(いと)の音に合はせて唄ひだした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...絃妓(げんぎ)も来り...
福田英子 「妾の半生涯」
...私という琴に更に一筋の絃がふえたような工合...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きょうは計らず非常にやさしい絃のピシカート(指頭奏法)で桜坊色の小さな丸帽子の主題が演奏されるのをききました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その人たちの十三絃(げん)や琵琶(びわ)を一度合奏する女ばかりの催しをしたい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...春の絃楽は皆しっくり他に合ってゆかねばならぬものであるが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この楽器のうちに潜(ひそ)みしさまざまの絃(いと)の鬼...
森鴎外 「文づかひ」
...絃(げん)を掻鳴(かきな)らして...
吉川英治 「私本太平記」
...管絃を始めたがよい」「叔父さまも...
吉川英治 「親鸞」
...管絃の名手なので...
吉川英治 「平の将門」
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