...当時の公侯の文化主義は終に曾我の家式滑稽として終ったが...
内田魯庵 「四十年前」
...終に破滅すべしと氣づかひて...
大町桂月 「飛鳥山遠足」
...終に移りて町の名となれりと聞く...
大町桂月 「梅の吉野村」
...終には物と物との間にはかならず境界があると考えねば合点ができぬようになるとみえる...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...終には困難な無形の事柄をも抽象的に思考するまでに進み来つたのであらう...
丘浅次郎 「人類の将来」
...不用器官が次第に退化して終に影をも止めなくなることは...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...しかし彼はそれにも拘らずトムの臨終には目を離さなかった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...却て種々の流言を散じて人夫を出さしめざることを勉め翌十九日終に堤防の破壊するに至るまで何の為す処なく...
田中正造 「非常歎願書」
...終に枝を踏む軽業(かるわざ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...眼は終に川に落ちる...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...彼れは遽かに之れに反對して終に保守黨と提携したり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...土佐派は亦終に之れを奈何ともする能はず乃ち之れを奈何ともする能はずと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...終には社会改良家と為りて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...終に革命変乱に至て窮まり...
蜷川新 「天皇」
...垢着て穢れたる衣服は蒸發氣といふ體より始終出る氣を押さへて體中に嵌める故に終に病氣を起すに至る...
福澤諭吉 「養生の心得」
...数年前より読書の極は終に我身体をして脳病か肺病かに陥らしむるとは万々承知の上なり...
正岡子規 「読書弁」
...始めの間は、家、子供、妻と他人(ひと)の事ばかり思って居た栄蔵は、終に、自分自身の事ばかりを考える様になった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...終に人の呼ぶに任せたのかも知れない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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