...終には幾十幾百幾千の事が皆一時に持上る...
石川啄木 「病院の窓」
...一生借金の苦労に追われて終に名を成す遑(いとま)がない中に...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...奸智も終に良智となるべし...
大町桂月 「石田堤」
...余は終に十和田湖に別れぬ...
大町桂月 「十和田湖」
...終には如何なる馬鹿げた事でも自分の尊敬する人から説き聞かされると...
丘浅次郎 「疑ひの教育」
...些細な迷信でも、一つを黙認すれば、他をも黙認せねばならず、次から次へと、負けて行けば、終には、いかなるはなはだしい迷信でも許さねばならぬことになる...
丘浅次郎 「改善は頭から」
...終に如何なる運命に遇ふたか...
丘浅次郎 「人類の将来」
...悪人は終に亡びる如くに書いてあるが...
丘浅次郎 「人類の将来」
...彼はいろんなことを話したが、どうやら、自分の生前に話しきれなかったことを、臨終に際して、もう一度、すっかり言ってしまいたいらしかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...養家に対しても済まぬといって終に先方に談合して離縁してもらった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...待望の教示は終に得られなかった...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...島野が死んだのをごぞんじですか」「死ぬまでそばにいました」「山勢さんのお嬢さんも臨終におあいになったのですか」「山チイはたぶんまだ知らないの」「フレッドとおっしゃったようですが...
久生十蘭 「だいこん」
...終には本当に観てしまふのだつた...
平山千代子 「お泊り」
...口上手な鱒二は終に僕にとっては砂漠のスヒンクスに化してしまった...
牧野信一 「喧嘩咄」
...小(ちいさ)い黄な蝶はひらひらと飛んで来て干し衣の裾(すそ)を廻ったが直ぐまた飛んで往て遠くにあるおしろいの花をちょっと吸うて終に萩のうしろに隠れた...
正岡子規 「飯待つ間」
...果して然らば詩人は終に論ずべからざる乎...
山路愛山 「詩人論」
...終に寐せざるもの真の寐か...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...すでに御臨終に駆けつけながら...
吉川英治 「江戸三国志」
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