...紺がすりのその単衣(ひとえ)で...
泉鏡花 「悪獣篇」
...突掛(つッか)けに 紺がすりの汗ばんだ道中(どうちゅう)を持って行(ゆ)くと...
泉鏡花 「浮舟」
...こはれかゝつた銀杏返しに結つた女があらい紺がすりの洗ひさらした単衣(ひとえ)を着てうつむきながら立つてゐてその後ろの弁護士席には二人の弁護士が控へてゐました...
伊藤野枝 「ある女の裁判」
...繼母がいそ/\と出て行つたあとで紺がすりの襟を正したり...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...紺がすりの羽織を着た書生姿は...
田山花袋 「蒲団」
...見知らない紺がすりの青年が...
林芙美子 「新版 放浪記」
...見知らない紺がすりの青年が...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...紺がすりを着た飮屋の女らしい...
林芙美子 「屋久島紀行」
...新しい紺がすりの袷着に赤い帯をしめて...
牧野信一 「バラルダ物語」
...紺がすりの着物に紺がすりの羽織で...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...素末な紺がすりに角帯をしめて...
宮本百合子 「黒馬車」
...その風にひるがえるあなたの紺がすりの着物を眺めました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...きょうお送りした衣類はセル、紺がすり、白い晒木綿の襦袢(半エリをかけてあるのです)、単衣羽織です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...セルや紺がすり一枚では肩さむいとき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...銘仙紺がすりを小包にしてどうやら夕飯を食べました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...男の着るような紺がすりの防空服であるのが...
三好十郎 「肌の匂い」
...うすよごれた紺がすり一枚のぼくは辨當をたべて...
吉川英治 「折々の記」
...紺がすりの羽織紐を首のうしろへ引っ掛けている今村...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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