...と言うよりはむしろ小枝に似たある不格好な細長い物体の上に...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...細長い体単にそれ丈けでも充分私の神経をおびやかすに足るものです...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...國中と稱する南北兩佐渡の山の間に挾まれた米の出來る細長い土地などでは少しは積もるさうですが...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...恰度機関車の真下の軌間(きかん)にパックリ口を開いている深さ三尺余りの細長い灰坑の中へ這入って行きました――...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...細長い谷は五町ぐらゐの狭い幅で...
田山録弥 「草道」
...その真黒な細長い影が半径のように火のまわりを廻っている...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...細長い肥桶(こえおけ)で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...額の広い細長い顔だから...
豊島与志雄 「裸木」
...細長いガラスのU字管に一〇ないし一五パーセントの水素と酸素との混合気体を入れて...
中谷宇吉郎 「写真と暮した三十年」
...海岸には、至るところにフヨルドがよく発達していて、細長い湾が、ずっと奥まではいりこんでいる...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...この細長い二本の鰭でもって...
葉山嘉樹 「信濃の山女魚の魅力」
...そして体が極く細長いので...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...この蓮根のこの細長い部は余りに痩せて居るので食用とするには足らぬのでありますが...
牧野富太郎 「植物記」
...それはたしかになにか黒いつるつるした細長いものであの見えない天の川の水の上に飛び出してちょっと弓のやうなかたちに進んでまた水の中にかくれたやうでした...
宮沢賢治 「〔「銀河鉄道の夜」初期形一〕」
...汗をかいてくさい臭いをプンプンさせても無駄なことではございますまいかの」花婆やはカナつんぼのくせにおそろしいおしゃべりでしかもひとりごとの大家ですそこら中につつぬけに響く大声でしゃべりながら墓地と垣根にはさまれた細長い無縁墓地に並んだ無縁ぼとけの墓の間を毎朝の日課の...
三好十郎 「詩劇 水仙と木魚」
...船から陸へ架けてあるあの細長い板の橋をアイビと言っている...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...非常に細長いへちまで...
山之口貘 「チャンプルー」
...六曲一双の屏風の広さを――いや世界の広さを見直して――また眼のまえの細長い一島嶼(とうしょ)の小ささを全図と比例しては見入っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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