...細工が実に細かく出来ているじゃないか...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...山陰側に出るのは真砂(まさ)と称し、粒も大きく、黒色の光沢を有する磁鉄礦で、不純物も少いさうだが、山陽側に出るのは赤目(あかめ)と称し、粒も細かく、褐色を帯び、燐、硫黄、酸化チタニウムの含有量も真砂よりは多いといふ...
田畑修一郎 「出雲鉄と安来節」
...世相に細かく触れて行つたところから――世間の種々の悲喜劇に泣いたり笑つたりしたところから...
田山録弥 「西鶴小論」
...セピアのインキで細かく書いたノートがいつも机上にあった...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...話は段々細かくなり心細くなるが...
戸坂潤 「社会時評」
...丸味を持った鋸(のこぎり)の歯のように細かくついているのもある...
中里介山 「大菩薩峠」
...同時に彼のノートは益(ますます)細かくなって行った...
夏目漱石 「道草」
...木裂(こつぱ)の細かくさゝけたところをはがして...
林芙美子 「下町」
...先生があの線の細かくこみいった精巧な図版をお描きになると聞いたら...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...その夜の夢にある岡の上に枝垂桜(しだれざくら)が一面に咲いていてその枝が動くと赤い花びらが粉雪のように細かくなって降って来る...
正岡子規 「夢」
...なければ庖丁(ほうちょう)でよく叩(たた)いて細かくして擂鉢(すりばち)へ入れてよく擂ります...
村井弦斎 「食道楽」
...その品々を煮汁とともにお米へ混ぜてまた味加減をして煮ますがお櫃(ひつ)へ移す時別に湯煮た三(み)つ葉(ば)の細かく切ったのをバラバラと振りかけます...
村井弦斎 「食道楽」
...第二十九 野菜サンドイッチは前のチサ菜と人参(にんじん)ジャガ芋なぞの湯煮(ゆで)たのと別に林檎(りんご)なぞを細かく刻んでおきます...
村井弦斎 「食道楽」
...細かく顫(ふる)えるはしばみの枝の中では...
室生犀星 「姫たちばな」
...現在の方言とともに細かく採録しておくことである...
柳田國男 「アテヌキという地名」
...頻々(ひんぴん)と取替えるからいよいよ細かくなってきて...
柳田国男 「木綿以前の事」
...細かく分けると「鴉(からす)鳴きが悪い」とか...
夢野久作 「暗黒公使」
...肚は太く機転は細かく...
吉川英治 「新書太閤記」
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